演技解説・写真集
What's Türk Yildizlari
お〜おう〜おうお〜ターキッシュスターズ♪ も〜える星たちよ〜〜♪
レツゴ!
お〜おうおうお〜ターキッシュスターズ♪ ゆ〜めを追いかけろ〜。
夢を追いかけた結果が、毎年ブッチギリ最下位だよ!!!おっと、それは地元球団の某スターズでした。
いきなし横浜市民にしか分からないネタでスミマセン。
アジアの最西端に位置する国トルコは、ユーラシア大陸を挟んで反対側に位置する我が国日本と大変良い関係にある国として知られています。オスマン帝国時代、親善のために来日していたトルコの軍艦「エルトゥールル号」が、紀伊半島沖で台風により沈没。和歌山県の地元民が必死の救助活動を行い、多数のトルコ水兵の命を救いました。また、イラン・イラク戦争においてテヘランに駐留していた日本人を救出するために、トルコ航空は日本人のために飛行機を飛ばしてくれました。
さて、そんな仲の良い日本・トルコ関係ですが、トルコの事って余り日本では知られてませんよね。例えば知っているトルコ人の名を挙げよ。と言われたら、何人言えますか? 私は偉大なる独裁者ケマル・パシャ、そしてオスマン帝国最盛期のスレイマン大帝しか言えませんw トルコの首都、分かりますか?イスタンブールじゃないですよ?
意外にもトルコ空軍は非常に強力な兵力を有しています。2010年現在、200機以上のF-16を保有しており、F-4およびF-5もかなりの数が稼働状態にあり、単純に戦闘機の数だけで見た場合、航空自衛隊すら凌駕しています。またF-35のレベル3開発パートナーとしてトルコ航空工業が参加しています。
その強力な戦力を有するトルコ空軍を代表するアエロバティックチームがTürk Yildizlari トゥルク・イルディズラーリです。チーム名を英訳したTurkish Stars ターキッシュ・スターズという名も広く用いられています。
トゥルク・イルディズラーリ最大の特徴は、(日本で)知られざる世界トップクラスの名チームだということで、ブルーインパルスに勝るとも劣らないレベルに有ります。(BIに匹敵するチームは世界を見ても指で数えられるほどしか無い。) しかも未だにNF-5A/Bフリーダムファイターを使用しているにも関わらずです。タイガーでは有りません。フリーダムファイターです!
戦闘機でヨーロピアンスタイルをやる珍しいチームですが、さすがにフリーダムファイターだけあってパワーの不足は否めず、演技間隔がやや広いという欠点を持ち合わせています。しかし8機編成という多数機で見事にそれをカバーしており、構成も非常に良くまた練度も高い、とてもハイレベルなチームです。なんというか、トゥルク・イルディズラーリは機動の見せ方が非常に上手で、編隊も非常にタイトに見えるよう工夫されています。F-5という戦闘機の特性を見事に活かした展示は、やっぱアクロチームは飛行機の性能じゃないな。と、ひしひし感じます。
BGMの選曲センスもクラシックとトルコっぽい音楽がこれまた良く、トゥルク・イルディズラーリの演技を面白くするスパイスとなっています。
トルコ空軍におけるアエロバティックの歴史は長く、1952年トルコ空軍はジェット戦闘機による最初のアクロチーム「ミッリ」を結成します。ミッリはトルコ語で国家の意でF-84Gサンダージェットを使用し、1962年まで活動しました。また同時期には「ウチャン・クグラル(飛翔する白鳥)」と言う名のチームも活動しており、白鳥を描いたF-86Eセイバーを使用していました。1957年にはF-84Gによる「アクレプ(蠍)」が、1964年にはF-86Eによる「ヤラサラル(蝙蝠)」が、1966年にF-86Eによる「カルタル(鷲)」、1971年にF-5Aを使用する「コスクン」が結成されるなど、非常に多くのチームが誕生しています。
トゥルク・イルディズラーリの発足は1992年と世界のナショナルチームの中では比較的若く、当初は4機のNF-5A/Bを使用していました。翌93年には6機編成となり、2004年には最初の8機編成のフライトが行われ、現在に至ります。
年間約20回の展示の殆どはトルコ国内で行われていますが、ヨーロッパへの遠征も積極的に行っています。
サイン会を見かけたので、パイロットの方々に日本にも来てくださいとお願いしましたが、返事をいただけませんでした(・∀・)
じゃあ、先にブルーインパルスを派遣しましょうか。
トゥルク・イルディズラーリのホームベースは民間空港との共用?のコンヤ空軍基地で、F-16とF-5が駐留しています。F-5は主にパイロットのトレーニングに使用されています。昔のT-2みたいな立ち位置ですね。
グーグルマップでコンヤ空軍基地に居るトゥルク・イルディズラーリを確認できるのですが、この基地、飛行機の数に比べて明らかに格納庫が不足してるような気がします。つーかこれ普段は野ざらしなんじゃ。
グーグルマップ見る限り非常に乾燥してるっぽいので、問題ないのでしょう。しかし、F-16には強化ハンガーが割り当てられています。F-5は戦力外って訳?差別ヒドイ。
なお、チームの支援には専用のC-130とC-160が使用されています。
1950年代。アメリカ海軍・空軍は重厚長大迎撃戦闘機路線を突っ走ってました。一方世界は朝鮮戦争や台湾海峡での「ドッグファイト」に注目し、軽量戦闘機がブームとなっていました。そこに注目したのがノースロップ社。「俺たちも軽量戦闘機作って海外に売ろうぜ。」結果、大当たり。おめでとう。
自由主義陣営に戦闘機を配りたいアンクルサム(政府)と、F-4じゃあちょっと高級すぎるんだよなあ。という国の意向が見事に合致し売れまくることとなります。
そこそこのエンジンに軽い機体。簡素な測距レーダーと機銃のみを武器に戦うドッグファイターは、見事なまでの時代にマッチしていたのです。
トゥルク・イルディズラーリのNF-5A/Bはカナデア社のライセンス生産機で、チームに在籍する飛行機には以下の改良が加えられています。
・機銃の撤去。
・ウィングチップタンクをスモークタンクに。
・チャフ フレアディスペンサーの撤去。
・計器板の改良。
・ミラーをF-4のものに交換し、さらに1枚を追加。
そろそろNF-5A/Bも退役が見えつつ有る頃でしょうか。後継機はアレニア・アエルマッキM346マスターかKAIのTA-50ゴールデンイーグルとなるに違いありません。もし、TA-50となると、韓国のブラックイーグルスと完全に被りますね。
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