Thunderbirds 2004年バーズ来日写真集
Thunder birds TOP
  演技解説・写真集
  2004年バーズ来日写真集

望の来日。しかし。

時はさかのぼり2000年。20世紀最後のこの年、一つの大ニュースが航空マニアの間を駆け巡りました。来年2001年の10月16日にサンダーバーズが三沢にやってくる!
あの米空軍のサンダーバーズです。誰もがその決定に狂喜しました。しかも空自、空軍は例年のエアショーとは別のこの日に基地の開放を行い、さながら、サンダーバーズのためのミニエアショーが開催開催される予定となっていました。
9月9日の三沢エアショーに足を運んだ私は、何があろうとも来月またここに来るんだと決意を固めました。しかし、それから僅か二日後。その期待と決意は脆くも崩れ去る事となります。そう。9月11日のニューヨークのワールドトレードセンタービルと共に。

2004年。サンダーバーズが来日するというニュースが再び流れました。しかも今度は三沢(非公開)のみではなく、さらに嘉手納(公開)、浜松(公開)、百里(公開)、韓国でも展示を実施するpacific tourを行うと言うのです。どちらかと言えば在日、在韓米軍のための慰問であったのかも知れませんが、丁度この年は航空自衛隊発足50年の節目の年に当たるため、日本の航空祭での展示も実現したのです。
私はその日に備え、初めての一眼レフと望遠レンズを購入しサンダーバーズの来日を待ちました。狙うは百里航空祭と浜松航空祭です。

しかし、来日したサンダーバーズの前に待っていたものは秋雨前線と航空事故でした。
バーズ来日直前に、沖縄においてCH-53ヘリコプターが沖縄国際大学に墜落する事故が発生。その後の処理において米軍は大学や警察等日本の関係者を完全にシャットアウトし、調査を認めようとしませんでした。この件で沖縄の対米感情は一気に悪化し、それに配慮する形で9月15日に予定されていた嘉手納でのバーズの展示を中止する処置がとられました。

9月26日百里基地航空祭当日。 前日から低い雲が垂れ込み、時折強い雨が降ると言う悪天候の中にも関わらず、サンダーバーズを一目見ようと、過去に例の無い規模の観客が押し寄せた百里基地と周辺道路は大混乱。激しい渋滞に見舞われ、最寄り駅を午前8時に出発した会場へ向かうシャトルバスが到着したのは午後3時(イベント終了後)という、もはや伝説となった前代未聞のエアショー運営大失策をしてしまいました。
私はこの日、買ったばかりのカメラを雨にぬらしただけで午前中に引き上げました。結果この判断は正しく、結局、悪天候ゆえにサンダーバーズの飛行は行われなかったようで、帰宅ラッシュを避ける事ができました。 

左写真が最初に撮影したサンダーバーズのショット。かろうじて実施された飛行展示は右写真のように、とても見れたものでは有りません。真ん中は雨ならではの写真が撮影できてせめてもの慰み。

のサンダーバーズ。

10月2日浜松基地航空祭前日。この日もあいにくの空模様ながら、前日のプラクティスを狙おうと浜松基地広報館に陣取りますが、全く動きがありません。諦めかけたそのとき。サンダーバーズのエンジンがかかり、タキシングが開始され滑走路エンドに全機が集結しました。

しかし、サンダーバーズは離陸しようとしません。あまりの待機時間の長さに周りの人たちはぼちぼちと帰り始め、広報館では既に「本日は閉館しました」(土曜は16:00閉館)のアナウンスも流れるなど、私も今日はダメかな…と、再び諦めムードが漂いました。
しかし、それでも粘ること実に40分間。滑走路で待機した唯一複座のF-16D 4番機が突如としてエンジンを吹かし離陸を開始しました。大きな歓声に包まれます!


おそらく天候偵察を行っていたのでしょう。何度か4番機がパスを繰り返すと、次は残りの5機が続々と離陸を開始しました。


エンジンノズルからは美しいアフターバーナーの炎を引きながら1機ずつ次々と離陸を開始します。
待っていた甲斐がありました。もし、帰っていたらずっと後悔していたことでしょう!

 
デルタ編隊で6機で進入。両端のソロ機が左右にブレイク。
最初に見せた演技。残念ながら会場は広報館よりもずっと遠く、しかも滑走路反対側なので、私たちを中心に機動展示を行ってはくれませんでした。しかしそれでも夢にみた「サンダーバーズ」です。



上の演技に引き続き4機のダイヤモンド編隊で進入。そのまま滑走路直上をフライバイします。


これはとても驚きました!編隊間隔が狭いというより、もう重なっています!
いままで写真やビデオなどで見たことはありましたが、やはり目で見るのとは大違いです。
4機のトレイル編隊で進入し、そのまま旋回を行います。


ソロ機が反転したまま滑走路上をかなりの高速でフライバイします。
こういう演技ひとつ比べても、ブルーインパルスに比しとても早い印象を受けます。T-4とF-16の性能差を実感させられます。ハイスピードインバーテッドパス。


ダイヤモンド編隊で旋回しつつ進入し360度ターンを行います。
ダイヤモンドパスインレビューは逆から見るようなものではありませんね。



ソロ機がスローロールします。ちょっと会場正面から遠いのが気になりますが、しかたありません。
旋回はスローですが飛行速度はやはり速い!


4機のラインアブレスト編隊で進入。そのままフライバイします。


4機のルーズな編隊で進入。2機+2機の編隊に緩やかにブレイクします。


カリプソ。
会場からは2機合わせに見える演技です。ちょっと撮影場所が悪い事もあり、本来の面白みに欠けます。そしてブレイクし着陸態勢に入ります。



2機エシュロン編隊で進入しピッチアップブレイクします。そして着陸態勢に入ります。


あぁ、悪天候のせいもあったでしょう。あっという間の展示飛行でした。


サンダーバーズが展示を行った国の国旗が描かれています。当然10年前に行われています日の丸も見られます。
また、「5」の数字が逆に書かれていることに注目。これはソロ機であり背面飛行することが多いためのシャレであると言われています。

…サンダーバーズ全ての展示が終わりました。F-16という機体を活かしたパワフルで、それでいて繊細な編隊飛行は思わず鳥肌が立ってしまうほどの「ショック」の一言に尽きます。それはブルーインパルスを初めて見たときと同じ感覚でした。

私は大満足で宿泊地に向かうため広報館を後にしました。翌日の浜松基地航空祭、エアフェスタ2004が晴天で行われる事を期待しながら…
しかし翌朝も酷い土砂降りで、完全にその望みを絶たれてしまったため、私は会場にすら足を運ばず、そのまま新幹線に乗り浜松を後にしました。予想通りサンダーバーズの演技飛行は行われませんでした。
結局2004年シーズのサンダーバーズ来日は一度も公式フライトを行う事なく終了するという最悪の結果に終わってしまいました。そして同時に、いつかアメリカへサンダーバーズを見にいくぞ…と決心を固めました。
その夢は翌2005年に果たし、ネリスの素晴らしい青空の下、最高のサンダーバーズの展示を見る事になります。

そちらについては
演技解説・写真集
にてどうぞ。


おまけ
やけに愛想のいいアメちゃんだなと思ってたら、よくみたら他の人たちとは違う青いのヘルメットを被っています。ブルーインパルスのパイロットが体験搭乗していたようです。

Thunder birds TOP
  演技解説・写真集
  2004年バーズ来日