演技解説・写真集
What's Royal Jordanian Falcons?
ロイヤルヨルダニアンファルコンズはヨルダン空軍の技術の高さを示す目的で、1978年にフセイン前国王の命により結成されました。当初は3機のピッツS-2(エアロックのあれ)を使用していましたが、1992年に世界最高クラスのアエロバティック機として名高いエクストラEA300Sに機種更新し、同時に4機編成となりました。
本チームの運営は空軍ではなく、ヨルダンのフラッグキャリアである、ロイヤル・ヨルダン航空(Royal
Jordanian Airlines)によって行われています。
では民間のチームなのか、と言うとそうでは無く、先にも書いたとおり設立の目的はヨルダン空軍の技術を示威する事にあり、パイロットは全員ヨルダン空軍の軍人で、ヨルダニアンファルコンズに所属する前は全員が戦闘機乗りです。
彼らはヨルダニアンファルコンズの任期を全うすると再び元の戦闘機隊へと配属されます。
半官半民の世界的にも珍しい運営体制ですが、国王が行政に権限を持っている事を不思議ではないのかも知れません。何せ、発足自体が前国王の鶴の一声ですしね。ちなみに現国王アブドラ二世陛下はパイロットでもあり、外遊の際に自らエアバスのヨークを取る事があるようです。
ロイヤルヨルダニアンファルコンズは、機体が機体ですからジェットのチームに比べると迫力に劣るのは仕方の無いところです。しかし、旋回性能などは比較にならないほど高いので、常に正面に位置し続ける演技が特徴的です。
さすがに4機という少数では、ナショナルチームとして不足気味な感はぬぐえませんが、世界的に見るとエクストラ300のようなレシプロアクロ機を使っているチームや、4機のチームは決して少数派ではありません。
演技は編隊が中心なので、エクストラ300の素晴らしい機体性能を極限にまで引き出すような展示は行いません。かといって編隊も、もう少し間を詰めればなあ…というような感じを受けました。もう一歩ですね。
そこで提案。エクストラ300を12機体制にしたらどうでしょう。混沌として意味不明で実に面白そうです(笑)
ドイツ製のエクストラ300は我が国でも見る事の出来るので、その機動性の高さをご存知の方は多いと思います。乾燥重量わずか620kgの機体を引っ張る強力なライカミングAEIO
540-L1B5エンジンは320馬力を誇り、巨大なエルロンによるロールレートは秒間360度、軽量でいて剛性の強い機体のG制限は10G/-10Gと戦闘機を遥かに超える性能を持ちます。この種のアエロバティック機としては世界の頂点に極めて近い位置に存在すると言っても過言では無いでしょう。
本機によるアエロバティックは我が国でも各地のエアショーでもまれに見る事ができますが、なんと言っても圧巻なのは例年ツインリンクもてぎで開催されているオートボルテージュ・アエロバティックス日本グランプリでしょう。世界最高クラスのパイロットが、世界最高クラスの飛行機を操り、エアショー会場としては世界最高クラスのオーディオ設備が整ったサーキットでエアショー行われるのだから、面白くないはずがありません。
なお、2005年よりロイヤルヨルダニアンファルコンズはオートボルテージュ・アエロバティックスに参戦しています。将来日本グランプリのために来日…ということも有るかもしれません。
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