演技解説・写真集
What's Sarang?
Sarangはインド空軍のヘリコプターディスプレイチームです。使用機は4機のHALドゥルヴ。2003年に結成された非常に若いチームで、「サラン」とはサンスクリット語でインドの国鳥の孔雀を意味します。
えーっと正直に言います。まったく面白くありませんでした。
それもこれも、多用途ヘリコプターのドゥルヴがあまりにも性能が悪すぎるのです。蚊が止まるかと思えるほどの速度性能に、大型のCH-47より機動性が鈍い。本当にこんな酷い機動しか出来ないで多用途軍用機として使い物になるのか?と思えるレベルです。
そんなドゥルヴを4機使ったところで、アエロバティックの醍醐味であるダイナミックながらも要求される精密さなど、皆目感じる事は出来ませんでした。
とてつもなく遅い編隊のチェンジ、速度感の欠片も無いクロスの繰り返ししかせず、しかも機動性が悪いからヘリコプターの癖に、一度離脱するとあくびをして次ぎの演技を待たなければならないという、とんでもなさです。
期待倒れに終わった2007年のスカイホーネットのほうがまだマシ。と言えるレベルでした。
そんなんだから、
「RIATが競技会だったら予行の金曜日で予選落ち(笑)」
「静浜航空祭なら歓迎だけどRIATで見るレベルじゃないね(爆笑)」
「何この塗装酷すぎ。ダサいどころか寧ろグロいわwwww」
...とか、金曜日の予行を見ながらバカにしてたのですが、なななななななんと、サランが終わった頃に大雨が降り始め他のチームの予行は全く見る事が出来ず、かつ土日のエアショー本番は全プログラム中止になってしまいました。結局2008年の英国遠征でフルショーを見る事が出来たのはサランだけという事態に!
ああ、なんという悪夢でしょう!
ヒンドスタン航空工業製のドゥルヴは多用途汎用ヘリコプターで、インド空軍では人員輸送、連絡、近接航空支援、対潜哨戒等の任務に2002年から使用されています。
ドゥルヴとはサンスクリット語で北極星の意を持ちます。
上にも散々書きましたが、軍用多用途ヘリとは思えない酷い機動性です。国産のための国産機であって、少数が発展途上国に売却されていますが、本気でビジネスのために製造したとは思えません。
エアショーにおけるアエロバティックチームの存在意義は自国産の航空機のすばらしさを世に伝えるという点が大でありますが、少なくともドゥルヴからはインドの航空産業はまだ発展途上にあるという事しか実感できませんでした。
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