第82回:飛行機を撮ろう!入門・機材編1

あなたも飛行機撮影、始めてみませんか?

今更書くまでも有りませんが、私は飛行機、特に機動中の軍用機を撮影するのが大好きです。

自画自賛するようで恥ずかしいですが、このMiG-29OVTの写真なかなかステキだとは思いませんか?
こういう写真を撮って来ては、帰国後に成果を見てニヤニヤするのが楽しくて仕方が無いのです。

このページを開き、読んでいるあなたもステキな飛行機写真を撮って
フフフフ(´ー`) と、ニヤニヤしてみたいと思いませんか?


人類が創り出した最も美しい機械である飛行機を、まして高速で機動を行う軍用機を美しく写真に収めるのは決して簡単な事では有りません(そして簡単ではないからこそ奥が深く、そして面白い)。
しかし、ひどく難しい事かというと、そうでも有りません。必要なのはやってみたいと言う好奇心と、右手の人差し指ただ一つだけあれば、特にカメラに興味や知識が無くたって飛行機の写真は撮れます。

事実私自身も、シャッター速度?露出?感度?被写界深度?色温度?意味わからんヽ(#´ー`)ノ
な状態から、「飛行機を写真に収めてみたい」の、ただ一心から始めました。
そんなものはやっている内に覚えてしまいます。好きこそ物の上手なれ。です。

今回は飛行機撮影への手引きと、必要な機材について書きたいと思います。もし、飛行機撮影を始めるきっかけとなる事を手助けできたならば幸いです。

飛行機撮影を一緒に楽しみましょう!

必要な機材。先立つものが無ければ始まらない。

もし、あなたが未成年で、お父さんが飛行機撮影が大好きであるなら、あなたは幸せです。
お父さんに、「ボクもお父さんと一緒に飛行機を撮りたい!」と言えば、喜んでカメラ等撮影機材一式を与えてもらえる事でしょう。しかし、多くの場合はそうではありません。

お父さんがそんな趣味を持っていない場合や、あなたが社会人の場合は、飛行機撮影を始めるには若干の ―いや、通常の写真撮影の趣味よりも明らかに多くの金子が必要となります。
しかも最良を求めるならば出費は殆ど無限大。どこで妥協するか。が必要となります。嗚呼、哀しき哉。
では、飛行機撮影を始めるに当たり、最初に買わなくてはならないカメラについて、軽く触れてみましょう。

一眼レフか、コンパクトか。

あなたが類稀な観察眼と画才があり、写実的な絵を描く事ができるのであれば不要ですが(それを写真と言えるのかどうかは不明ですが)、カメラは絶対に必要な道具の一つです。今はデジタルが主流なので、迷わずにデジカメの中から選ぶとしましょう。
しかし、デジタルと一言に言っても様々なカメラがあります。まず、大まかに分類するとコンパクトデジタルカメラデジタル一眼レフカメラの二種類があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

■コンパクトデジタルカメラ(略してコンデジ)
ともかく、あまりお金をかけずに手軽に始めたいならコンデジを選びましょう。薄型で2〜3倍ズーム程度のカメラは全く役に立ちません。最低でも光学10倍ズーム以上の高級機が必要となります。
必要な予算としては4万〜6万円程度でしょうか。未成年でも欲しいものを我慢すれば手の届く範囲内ですね。

地上展示された飛行機や、離着陸する旅客機、低速で飛行する戦闘機程度であれば、それなりに撮れます。
しかし映像センサーが光をデジタルデータに変換し、液晶に表示するという構造上、どうしても「遅れ」が生じます。遷音速や激しい機動を行う戦闘機を追いかけるのは非常に困難です。オートフォーカスも殆ど役に立ちません。
また、シャッターのボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでのタイムラグが長いのも大きな欠点です。シャッターチャンスを物にするのは実力ではなく「運」が重要となります。

購入に当たっては
・液晶の反応が速い物を選ぶ(ディスプレイ品を振り回してみましょう)。
・シャッターのタイムラグが速いもの(レリーズタイムラグ。多分カタログに書いてある)
以上を重視して選びましょう。画素数は無視してください。あれは素人騙しの数字に過ぎません。

私が飛行機撮影に興味を持ったのは2000年頃で、その当時は殆ど選択肢が無く、唯一10倍ズームが可能であったオリンパスC2100UZというカメラを購入しました。
今のものとは性能が比較にならないほどスペックが低く、しかも値段は12万円もしました。今は半額、下手したら1/3以下でもっと高級なものが買えるのですから、ホント技術の進歩は素晴らしいものですね。


■デジタル一眼レフ
本気で飛行機撮影をやりたいなら、デジタル一眼レフを選びましょう。ハッキリ言ってその性能は安価な入門モデルでもコンデジとは比較にならないほど優れています。
私は初めて一眼レフに触れたとき、今までこんなに酷い環境で撮影していたのか!と、正直驚いてしまいました。光学ファインダーですから、タイムラグ無く戦闘機の機動にもついて行けるし、オートフォーカスもちゃんと追いかけてくれる。シャッターはすぐ切れる。今まで不可能だった連写もできる。そして何より出来上がった絵が美しい。
飛行機撮影は一眼レフを買ってから始まる。と言っても過言では有りません。


EOS20D+EF100-400(一眼レフ)とC2100UZの撮り比べ。
あえてどちらがどっちとは書きません。表現力が全く別世界である事が分かると思います。しかし、この差を埋めるには最低でも10万円の投資が必要となります。10万円の価値が有るかどうかは、あなた自身が判断する事です。

できるだけ似たようなアングルで、かつ同じような気象条件下で撮影した写真をいくつか用意してみました。こちらもどちらが一眼レフかはあえて書きません。見比べてみてください。







「うん、コンデジも結構行けてね?私はこれで十分。」と思った方は、さっそく電器屋に行って、実際に触って選んでみましょう。液晶とシャッターのタイムラグだけ気をつければ、どのメーカーを選んでも大差は有りません。
少なくともサンプルの写真を撮ったC2100UZよりキレイに撮れる筈です。

「やっぱ一眼レフ欲しいわ…。」と思った方は、予算を立てて、それから購入するカメラ、レンズを決めなくてはなりません。
次回、飛行機を撮ろう!入門・機材編2へ続きます。

(更新日:2008年11月21日)


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