第79回:F/A-18E VS Su-35×8機

「24機を補足し8機への同時攻撃が可能」

レーダーの優秀性をあらわすためによく聞く表現です。
アヴィオニクス再現性では高い評価を受けるJane's F/A-18を使いそれが可能か不可能かを再現してみることにします。
勿論架空のフライトシミュレーターでの事なので、現実とは異なります。お遊びでやってみましょう(・∀・)

さて、シミュレートの条件は以下のとおりです。

F/A-18E×1
兵装:
AIM-7F スパローIII×2
AIM-120C AMRAAM×8
AIM-9X サイドワインダー2000×4
M61A1(PGU-28)×400

Su-35×8 (2個編隊)
兵装:
AA-10 アラモ(?)
AA-11 アーチャー
AA-12 アッダー
Gsh-301×150

高度10,000ft
距離40nm
敵思考レベル ACE

実際にやってみた

マスターモードをAAにセットし、使用兵装をAIM-120にセット。
真ん中のタッチパネル式MFDはEW,すなわち電子戦ページに切り替える。
電子戦ページにはIDECM。統合型電子戦対抗手段システムの情報を表示し操作を行うために用いる。

ジャミング装置をスタンバイにし、曳航式デコイを放出していつでも作動可能な状態にする。
またIDECMマスターモードをセミモードにし、パイロットの負担を軽減する。
セミモードにすると敵レーダー波長にあわせたジャミングを適切な方法で自動的に行われるため、電波放出制限環境で無い限りこのモードを選ぶべき。

さて、相対速度マッハ1以上で接近してるので、肝心のレーダー操作を行わなければ。
まず選択するのはTWSレーダーモード。TWSにすることにより脅威順位のつけられた1〜8の目標を同時追尾することができる。
アジマス(レーダーの横操作の幅)は40に設定されているが、二つの4編隊を探知しなければならないので60に設定する。
なお、あえてL&Sターゲット(主要目標)の設定は行わなかった。L&Sを設定するとどうしてもその目標を中心にレーダーが走査してしまうので、もう片方の編隊の探知が難しくなるため。

発射準備が完了し敵機へ向かって接近する。この時にAMRAAMの射程を少しでも延長する目的で高度のイニシアチブをとるためアフターバーナーを入れて上昇を行う。

相対距離20nm。この距離でAMRAAMを8発一斉発射する。目の前が煙で真っ白になったかと思うと、すべてのミサイルが前方で扇状に大きく広がった。

ほぼ同時にEWページにSu-35からロックオンされたことを警告する点滅と警告音が鳴り響いた。
回避行動をとるのがベターな行動だが、敵機の追尾も同時に行われなくなってしまうため、あえて直進を選択。
AMRAAMは自己誘導とはいえ、自己誘導を開始するまでは母機がレーダーで敵機を追尾し、データリンクでミサイルに着弾予想地点をアップデートするのだ。


この扇状に広がるミサイル。現在F/A-18Eのレーダーが捕らえた目標をデジタル処理しミサイルへとデータ送信している。
つまり、すべてのミサイルはF/A-18Eが誘導していることになる。
数字では8目標への同時攻撃といってしまえばそれでおしまいだが…こうして見ると末恐ろしい能力であることに気づいた。



(左:兵装 中:電子戦 右:レーダー)

アジマスを60から80に拡大して大きく広がった2つの編隊を捕らえる。
アジマス幅を広くすると初期の40に比べて走査は単純に2倍の時間かかってしまうため、ミサイルへの着弾座標アップデートの間隔も大きくなってしまう。しかしレーダーロストして完全にアップデートが行われなくなるよりマシだ。相対距離15nm。そろそろ着弾するであろう頃なので、あとは「覚醒」ミサイルにすべてを任せ回避行動をとる。

電子戦ページに[12]の表示が現れ、AA-12アッダーのアクティブレーダーに完全に補足されたことを警告してきた。けたたましく警告音が鳴り響く中、ミサイルに対して直角90度になるようチャフを散布しながら急旋回して回避に努める。セミオートに設定してあるためECMも稼動している。放出した曳航式デコイも稼動しているかとおもいきや…先ほど上昇したときにうっかりアフターバーナーを炊いてしまったため、焼ききってしまっていた。
残り2つほどあるのだが放出している暇は無い。急旋回を繰り返しているさなかに左に視点を移すといは黒煙のスジがいくつも引いていた。AMRAAMが命中したSu-35だろう。
と、思っている矢先にAA-12アッダーはF/A-18Eに至近弾!大破こそ免れたもののエンジンは炎上し、ほぼすべてのアヴィオニクスも逝ってしまった上に飛行制御不能状態に陥った。

ベイルアウトしようにもなぜか脱出できない。操縦不能で降下、正確には落下している最中に爆発を起こして機体は見るも無残な姿に…




左に4機のSu-35。真ん中は自機。右は4機のSu-35
そして大空には8つの黒線が残った…皮肉にもSu-35のパイロットはほぼ脱出に成功していた。
(さすがエアショーで射出座席の実演販売しているだけある!)

デブリーフィング

ふと、思いついたのでやってみたこの実験。結果的には上記のとおり
「8機を追尾し同時攻撃は可能である。」
しかし、ロックオンされているのに回避行動をしばらくとらなかったのはチャレンジだからなせるワザであり、通常行うべきではなく「可能なだけ」であって実戦的ではありません。CPUがトロい。この一言に尽きます。

反省点は、アフターバーナーでAN/ALE-50曳航式デコイを焼ききってしまったということ……これはうっかりしてました。
2回目のチャレンジでは焼ききらないよう気をつけたところ、AA-12アッダーの自爆破片こそ食らったが被撃墜を避けることに成功。
正直曳航式デコイは今まで活用したためしがなかったのでこの新型兵器を甘く見てました。
調べてみると、すでに実戦においてSAMを欺瞞した事もあるようです。

(更新日:2001年10月1日)


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