海外エアショーは実は「とてつもなく安い!」
毎年7月、イギリスでは世界最大のエアショー
Royal International Air Tattoo(RIAT)と呼ばれるイベントが開催されます。
RIATではたった1時間で航空自衛隊航空祭1日分の飛行が実施されます。
航空自衛隊の多くの基地の航空祭プログラムは戦闘機が2-3飛行して救難展示、そして最後にブルーインパルスといった構成が代表的と思います。
おおむね朝9時から始まって2時頃に終了といったところでしょうか。その5時間分をたった1時間でです。信じられませんか?
実際にRIATとかのプログラムを見てみましょう。
PM5時台を見てください。スウェーデン空軍のグリペンが飛行し、次いでイギリス空軍のキャンベラが、その次ぎにロールスロイス社所有のスピットファイアが、そしてスペイン空軍のタイフーン、一日の〆に同じくスペイン空軍の「パトルーラ・アギラ」アクロバットチームが飛行しています。
ね、冗談抜きで1時間で航空自衛隊基地の航空祭1日分やってるでしょう?
RIATを三日間楽しむのに、旅費を総額で25万円要したと仮定しましょう。25万円、結構な大金です。首都圏在住ならば、三沢・小松・新田原・岩国・松島・千歳と6箇所ぐらいの航空祭は十分に巡れる額です。
でもここでちょっと考えてみてください。RIATは1日で航空自衛隊航空祭8日分の飛行展示が行われます。上に掲載したプログラムからもそれは証明されています。25万円の旅費でRIAT3日通えば僅か25万円で航空自衛隊航空祭24回分を楽しめる計算になります。
RIATを基準とした1飛行時間あたりの単価は...
新田原航空祭:4万円 RIAT:9600円
4倍以上の差がつきました。実は海外エアショーって凄くコストパフォーマンスが良いんです。
実際はこれに数百機の地上展示が加わります。
展示あたりの単価は海外のほうが遙かに安上がりなのですから、同じ予算内で納めるならば国内の航空祭を少し休んでたまに海外へ行く方が遙かにお得なのです。
飛行時間だけではありません。自衛隊の基地をいくつかまわってF-4やF-15を何度も繰り返し見るぐらいならタイフーンやスピットファイアなど、日本では見られない飛行機を楽しんだ方が良いと思いませんか?
もし、フランカーシリーズが好きならモスクワへ行くのも良いかもしれませんね。
F-22が見たければアメリカも良いですね!
ロシア機はたまに来日しますが(領空侵犯 笑)、
ロシアンナイツの美しいマニューバを写真に納めたいならば、日本に引き籠もっては絶対に不可能です。
海外エアショーは安いし充実してるし最高ですよ。
さあ、皆さんも勇気を出して最初の一歩を踏み出しましょう!
「安近短」な東アジアのエアショー
「でも会社休めないし、海外エアショーは無理」
こういう声をよく聞きます。なるほど。大学生さんは主に資金の面が問題でしょうが、サラリーマンなど社会人の皆さんにとっては逆に時間が最大の敵と言えます。中高生?パパにでも連れていって貰ってください(笑)
ですが、本当に海外エアショーだけの一撃離脱の旅程を組むならば、土日の休みに月金の有給休暇を足せば行けてしまいます。年に1回、月金に有給休暇を取ることもできませんか?そんな会社は辞めてしまえ
でもまあやっぱりヨーロッパやアメリカへ行くなら、エアショーのついでに航空博物館巡りするもよし。観光するもよし。1週間ぐらいの休みは欲しいところであります。
どうやっても欧米に行く時間を捻出できない!
そんな人にお勧めなのが韓国・台湾のエアショーです。これらの国ならば東京から飛行機で3時間と近く、土日だけで行って帰ってこられます。旅費も総額5万円と掛かりません。3万円台に押さえることすら可能です。
私は2007年、2009年と2度ソウルエアショーに行ってますが、どちらも金曜日仕事を終えたその足で羽田空港へ向かい深夜便でソウルへ。その朝直接エアショー会場へ向かい、日曜日もエアショー終了後日付が代わって月曜日未明便で帰国、一度帰宅してシャワーを浴びてすぐ出勤というスケジュールを組みました。(無理しすぎて風邪ひいたけどね!)
2010年の台湾も金曜日に半日仕事して、土曜日にエアショー、日曜日に帰国して月曜日には平常通り出勤しました。
台湾や韓国は東京から新田原や千歳へ行くのと殆ど差が有りません。だって、大日本帝国固有の領土ですよ。国内移動するのと変りませんよ。駅や案内板だって漢字ですから、言葉の心配だって有りません。
もっとも中身も国内の航空祭に比べて特別優れてるとは言えないのですが...。それでも台湾ならばミラージュ2000やチンクオが楽しめるという魅力が有ります。韓国空軍のキムチイーグルを見たいと思いませんか。
航空自衛隊のF-15やF-2、F-4は魅力的です。でも、いつもF-15では飽きてきませんか?
ブルーインパルスの「真の凄さ」は海外のチームを知って初めて理解できます。ブルーインパルスファンなのに、それを知らずにいるのは損だとは思いませんか。同時にT-4の6機編成の限界も知ることになりますが。
「いつか海外のエアショーへ行きたい」
では一生いけません。
「海外のエアショーへ行くんだ!」
行ける状況を待つのではなく、行けるように動きましょう!
活動してこそ、初めて行けるようになるのです。
可否はあたながどれだけ強く行きたいと思っているかに掛かっています
最初の敷居さえ超えてしまえば、驚くほど簡単に行けてしまいます。
誤解を生む言い方ですが、東日本大震災でエアショーが軒並み中止されてしまった2011年は、
欧米は難しいにしても大日本帝国領に挑戦するチャンスでもありましょう。
今回からしばらく「飛行機を撮ろう!」シリーズは初心者のための海外エアショーへの手引きを主題に進めてみたいと思います。
(更新日:2011年4月10日)
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