第23回:King of Hangar

引き篭もり

軍用飛行機の中にはさまざまな境遇で使用されています。某ツンドラ国では雪が降りしきる中、野外駐機されて機体の上に雪が積もっちゃってるような戦闘機も あります(なんとなくMiG-25やMiG-31が似合う)。やってもらえることと言えば、雪を払ってもらえるぐらいです。

そんなひどい扱いもされている飛行機もあれば、完全に温度、湿度をコントロールする空調の効いたハンガーの中で、傷ひとつゴミひとつすら無くなるまでピカ ピカに磨き上げてもらえる王様のような飛行機も存在します。その飛行機の名はB-2SPIRIT。数ある飛行機の中で最も高価で最も先進的な機体。
かのB-2はステルスを維持するため、完璧ともいえる状況下で翼を休めており、退役するまで自身の値段の10倍近い数千億円の経費がかかるとされています。

そのためB-2は専用ハンガーのあるホワイトマン基地のみに駐留し、月に数回、決まった時間のみを飛行し、たとえ大きな紛争があろうとも、他の基地へ展開 することはありません。ユーゴスラビアへの空爆、アフガンへの空爆、どちらも本土のホワイトマン基地より何度も空中給油を行い、20時間、30時間をかけ て、それこそ地球1周に匹敵する距離を往復しています。

現在移動式のB-2専用ハンガーを検討中とのこと、ここまでしなければ格納庫の王者B-2は他の地に出向くことすらできないのです。

現在21機で生産がストップいますがノースロップは更なる増産を提案しています。おそらく蹴られるのが落ちでしょうが(笑)

-2008年10月追記-
移動式のハンガーは完成し、ディエゴガルシア島への臨時配備が行われた他、現在グァムのアンダーセン空軍基地において恒常的な配備状態に有ります。
増産は蹴られました。

(2002年1月6日)



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