第17回:F-104J整備士体験談

「垂れ幕」


以下は掲示板に投降された記事です。興味深い話なので他の発言に埋もれてしまうのはもったいないと思いここに掲載します。

私は元F−104の整備員ですが、これは私の体験談です。

ある日、退役間近のF−104戦闘機が私の勤務する基地に立ち寄りました。
当時、当基地はF−104が全機退役し、F−4戦闘機が配備されていました。

F−104は、空気取り入れ口横にある扉から中に入れるようになっているのですがその際、中に人が入っていることを示す「垂れ幕」を取り付けます。
ところが、F−104が全機退役したこの基地にはそんなものはない。「すぐに済むから」と私は中に入りエンジンのブレードを点検しました。

点検を終えて出ようとしたところ、なんと扉は閉められていた!!

哀れな私を乗せたF−104はそのまま格納庫に引っ張られていきました。
機体を叩けど叫べど気付いてくれません。

その後、駐機場にあった私の靴が手掛かりになり
その日のうちに発見、救出されたものの・・・、

「なにやってたんだ、まったく!」
「お前、点検の時いたの!?」
「ドジ!!」

などと上官からどやされることに・・・。
二度と手抜きはしないぞ、と思いました。

それ以上に、もしエンジンをかけられていたらと思うと、
今でも体がブルッときますね。

(更新日:2001年11月17日)


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