第56回：F-15 EAGLE 栄光の伝説　全撃墜リスト 改訂版

※1 第一三回：撃墜されたF-15Jイーグルを参照。

※2 シリア側はMiG-25およびMiG-23、MiG-21でイーグルを機撃墜したと発表していますが、何らかの攻撃による被撃墜は無いとしており、信憑性にやや欠けます。さらにまだ調べればF-15撃墜説はあるかもしれません。
1機のF-15がMiG-21のAA-8を受けて被弾したことは確実ですが、エンジンが一発停止する被害に抑え基地に帰還しています。


よって、イスラエルの公式記録においてF-15が空対空で撃墜された数は0。すなわち皆無でした。

付録資料　F-15地対空被撃墜

年月日	所属空軍	バージョン	使用武装	撃墜機	所属軍	備考
1991年1月18日	アメリカ軍	F-15E	SAM	地対空火器	イラク軍	湾岸戦争
1991年1月20日	アメリカ軍	F-15E	AAA	地対空火器	イラク軍	湾岸戦争
2003年4月7日	アメリカ軍	F-15E	AAA	地対空火器	イラク軍	湾岸戦争

地対空兵器による被撃墜は｢確定｣です。湾岸戦争で2機のストライクイーグルを失い、10年後のイラク戦争でも1機が撃墜されました。



〜あとがき〜

イーグルの撃墜記録で大部分を占めるレバノン侵攻においては、F-15,F-16,F-4E,クフィルが航空優勢任務に就き、100のミグを撃墜しイスラ エル空軍全体での損失もゼロと発表されました。これに対し損害が皆無であったというのはイスラエルの戦果は誇張であるとし、シリアのMiGのパイロットは 実際に数機のイスラエル機を撃墜している― 。と主張する声は旧東側諸国を中心とした一部アナリストの中で根強く存在します。比較的最近になってからイスラエルはF-4Eファントム1機がミグにより 撃墜された可能性が有る事を認めました。
資料によって撃墜数が異なっていたり、同じ空中戦で同じ空軍のパイロットの証言でも異なっている場合がある等、必ずしも総てが真実であるとは限りません。

本リストは全てイーグル所有国の発表で作成されています。真実ではない無い撃墜記録、すなわち｢不確実な撃墜確実｣が有るかも知れません。いや、間違い無 く存在するでしょう。イスラエルとシリアの戦いなどは、仮に両者の損害自己申告ベースで資料を作成しても正確なものになるとは到底思えず、｢真実｣が実際 にどのようなものであったのか、それは紛争当事者ですら確かめようがない、歴史のグレーゾーンと言えます。

今回115.5：0という具体的な数値を抽出しましたが、｢100以上の機を撃墜し、損害はゼロであった｣と、控えめ、且つあいまいに見ておくのが無難かもしれません。もっとも、｢控えめ｣であるとはとても言えない素晴らしい戦果ですね。

最終的に情報を判断するのは最後まで目を通していただいた貴方自身です。

最後に、この撃墜リストの作成に当たり、多大なご協力を頂いたしげさんに対しここに感謝の意を表させていただきます。