第30回:自分のミサイルで被撃墜

下に撃ち出す理由

自爆。自爆って言っても、零戦で空母に突っ込むアレでもなければ、ビルに突っ込むアレでもありません。
以前、F-14のエビエーター(海軍の飛行機乗りの事)に「背面飛行中にフェニックス撃ったら、自分の機体にゴンッてぶつかる?」と聞きました。これは飛 行機の話○○回にも回答を載せましたが、「そんなのやった事無いからわからないよ:-)」と、笑いながら言ってました。

…実はF-14って自分のミサイルに自分が撃墜された事があったりします。使用されたミサイルはAIM-7スパロー。残念ながらフェニックスではありません。

AIM-7は、場合によっては発射後に急上昇を行い空気の薄い高空を滑空しながら飛行する事によって射程距離を伸ばします。
ある日F-14の6号機がAIM-7ミサイルの試射を行っていました。
標的機をロックオンしてFOX1!!
F-14から切り離されたAIM-7はロケットモーターを点火し急上昇を行い高度を稼ぐ行動に入りましたが、その刹那!AIM-7はF-14のドテっ腹に激突!

自分のミサイルで自分を撃墜する笑える…おっと、尊い命に関わる事故を笑ってはいけませんね。このような悲惨な事故になってしまったのです。

この後、AIM-7を切り離すカートリッジの火薬を増量し、より下方に打ち出すことにより以降このような事故が起きることはなくなりました。


(更新日:2002年3月15日)


目次へ戻る