第53回:戦闘機とドッグファイト 3章

結局、ドッグファイトで最も重要なこととは…。

さんざん記述しましたが、ドッグファイトが発生する確率(発生した割合)は限りなく低いです。しかし、確率と割合は少なくとも、無限とも思える回数の空中戦が過去にあったわけですから、当然ドッグファイトも相当数が行われています。
もちろん、今後戦闘機対戦闘機のドッグファイトは全体数から見れば僅かな割合でしょうが、必ず起こります。

しかし…

まずは、ようつべの動画を見てください。最新の短射程ミサイルAIM-9Xです。

見ていただけたでしょうか。
さて、ここでフランカーやファルクラムは欧米機に比べドッグファイトで圧倒的に優れていると思っておられる方に質問です。

こ れ を 見 て も 本 気 で 圧 倒 的 に 勝 っ て い る と 言 え ま す か ?

AIM-9Xは未来のミサイルではありません。すでに生産がはじまっており、実戦部隊にも配備済みです。そしてフランカーやファルクラムも同種のR-73ミサイルを過去の連邦が崩壊する前から運用しています(ドッグファイトに限ればAIM-9Xのほうが高性能)。
機動性に制限がある機と機動性の高い機のどちらか選べと言われた場合、ほとんど限りなくドッグファイトが起こらないにしても私は後者を選びます。そしてこの種のミサイルであっても、相手の後ろを取った場合に比べ命中率が下がることは間違いないでしょう。
しかしながら、もはや、「ドッグファイト」とは言っても必ずしも敵機の後ろを取らなくとも、攻撃し撃墜することは可能なのです。

このようなミサイルを相手に使わせることなく撃墜するには、どうしたら良いか?
相手よりも先に発見し、先手を取ればいいのです。
相手よりも先に発見することができれば、例え機動性などに劣っていても圧倒的優位に戦えるのです。

最後に…

(最強の戦闘機パイロット 著 岩崎貴弘氏より転載)
「お前はオレのウィングマンが突然目の前に現れたので、それを追いかけただろう。お前は目の前のターゲットしか見ていなかっただろう。そのとき、オレがどこにいたのか知っているか?」
「わからない」と怪訝そうに相手が答える。
「オレはここにいたんだよ」と言って、相手のF-15の下に私のF-104を描き込み、「ここから左旋回してお前の後ろについて、この位置で撃墜したんだ」と、F-15に大きく×をつけた。
「うーん、そうだったのか。少しも見えなかった。」
この米軍パイロットは、ようやく納得したようだった。
(F-104Jで米軍のF-15を訓練にて落とした後のデブリーフィングにて)


だからこそ、相手を正しく探知する警戒機やデータリンクによる情報共有、こちらの存在を「誤魔化す」電子戦が最重要なのです。

結局、今も昔も「先に発見する事」が最重要である事には、少しも変化が有りません。

(更新日:2004年4月11日)


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