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What's Patrouille de France?

忘れもしません2006年エアタトゥーでドタキャンをしたパトルイユドフランスを!
あの恨み辛みは2007年モスクワのジュコフスキー飛行場で行われたMAKSで晴らす事ができました。
やはりヨーロピアンスタイルの演技は素晴らしいの一言に尽きます。

8機のアルファジェットによる絶え間ない連続とした流れるような演技は、イギリスのレッドアローズやイタリアのフレッチェトリコローリと並び、ヨーロピアンスタイル御三家ともビッグスリーとも称されるだけの事はありました。
演技構成はレッドアローズに似た感じですが、一つの展示を行うのにその前後にまた別の機動を行うなど、演技一つ一つの技のキレの良さ、美しさは一歩勝る感があります。

6機編隊のうち2機がナイフエッジ、1機がインバーテッドになり、その状態を維持したまま編隊を崩さずに飛行する、La Sherif(英:The Sheriff)という名前の機動があります。
私はこの機動を見て背筋が凍りました。通常ナイフエッジを行うと主翼の揚力が天頂方向から水平方向に向いてしまう状態になるのですから、進路が変化したり高度が落ちたりしてしまいます。
舵で補正するにも限度がありますから、通常編隊でやったりはしません。容易に編隊が崩れてしまいますから。
しかし、パトルイユドフランスはそんな常識を無視し、編隊でやってのけてしまったのです!
また、最後の展示、L’eclatement final.(英:The Final Burst)は、演技そのものも圧巻ながら、全機が散会した後の再集結はその疾きこと風の如し。ほんの一瞬で集結する様は驚愕でした。
“神業”という言葉は、まさにパトルイユ・ド・フランスにこそ相応しい。

パトルイユ・ド・フランスは1953年にF-84Gを4機使用するチームとして発足した。とされています。
されています。と、あえて濁すような表現を選んだのは、実のところ起源を定かにする事は出来ないのです。そもそもチームの名前は、1954年にフランス植民地のアルジェリアで行われたエアショーで、F-84Gのアエロバティックを見たフランス人のアナウンサーが感極まり「Patrouille de France!」と叫んでしまった事に由来するのです。
歴史を遡れば1947年、第四共和政下で初めて結成されたSV-4練習機を12機使用するチームが起源とも言えるし、さらには1931年フランスで初めて実施されたアエロバティックにまで起源説が及びます。どんなに短く見積もっても半世紀以上の歴史を持つ伝統あるチームなのです。
1954年からはF-84G(1953-1954)にかわりウーラガン(1954-1957)、ミステール4(1957-1964)、マジステール(1964-1981)、アルファジェット(1981〜)と、フランス製の戦闘機・練習機を使用しています。
当初4機だった編成もマジステール時代に6機となり、アルファジェットへの機種更新と同時に7機に。後に8機編成となり、現在に至ります。


ちなみにこのエンブレム、機体が9機描かれてます。
平常8機編成ですが、予備機を混ぜた9機編成時用の編隊パターンも数種類有るようです。

現在このページを見ていただいてる方々の中に、いずれパトルイユドフランスを見に渡欧するという人もきっといらっしゃる事でしょう。そんな方に一つだけ忠告があります。
カメラの液晶は絶対に見るな!
ブルーインパルスのつもりで見ないでください。ヨーロッパ御三家は演技と演技の切れ間など存在しないのです。戦果確認は着陸してからにしましょう。演技一つを見逃しますよ?
…もっとも「エアショー」は日本の「航空祭」と違って、着陸したと思ったらすぐに次の展示が始まってしまうので、ホテルに帰るまで確認などできやしないのですが…(笑)

パトルイユ・おフランスはトレビアーン!

使用機材 Alpha Jet

アルファジェットはフランス ダッソー社とドイツ ドルニエ社が共同開発した亜音速練習機で1973年に初飛行しました。
アエロバティック機としての性能は申し分無く、旋回性能、ロール性能とも良好で、同クラスの他の練習機(ホークやT-4等)と比し高い上昇力を持ちます。

日本ではT-4と瓜二つの練習機として非常に有名ですが、T-4と大きく違う点が二つあります。
1つは総生産数は480機でフランス、ドイツ以外にベルギー、カメルーン、カナダ、コートジボワール、エジプト、モロッコ、ナイジェリア、ポルトガル、カタール、タイ、トーゴと世界中で広く使用されている事があげられます。
もうひとつ1つは軽攻撃機としての能力を持つ事であり、各使用国のバリエーションによって異なりますが胴体下にマウザーBk27 27mm/DEFA30mm機関砲、翼下に各種通常爆弾、ロケット弾、AGM-65、AIM-9、マジック2等を装備する事が可能です。

パトルイユドフランスで使用されているアルファジェットはフランスで製造された練習機型のアルファジェットE型で、ドイツ製の練習/軽攻撃型アルファジェットA型とは機首部の形状が丸みを帯びており、簡単に見分ける事ができます。
なお、ドイツではパイロットの育成をアメリカ空軍に委託しており、本機を練習機として運用していません。

左:パトルイユドフランス 右:ポルトガル空軍 ドイツ生産型アルファジェットA

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