イギリス空軍博物館 コスフォード 2008年夏 Royal Air Force Museume (ロイヤルエアフォースミュージアム) - Cosford ツイート ■その1 テストフライト/ウォープレーン 格納庫 ・コスフォードへの行き方 ・テストフライト ・ウォープレーン ■その2 コールドウォー/ハンガー1 格納庫 ・コールドウォー ・ハンガー1 |
1945年、二度目のグレートウォーが終結。ヨーロッパを戦争の渦中に放り込んだ卍伍長は死に、東アジアの大ナントカ帝国とか中二病っぽい名前の国はアジアの盟主として再起不能にされてしまいました。
英国連邦の盟主たるイギリスは戦争の勝利者となりました。しかしもはや19世紀の世界帝国としての力は残されていませんでした。
ガスタービンの発明者フランク・ホイットルをうみ、少なくとも40年代は卍伍長の国さえ凌駕する世界一のジェットエンジン大国だったにも関わらず、それを維持し続けることはできなくなってしまいました。いえ、ジェットエンジンに関してはイギリスは今でも十分大国です。しかし、飛行機はどっかオカシイ、何かオカシイものしか作らなく(作れなく?)なっていました。
不干渉主義から舵を切り、自由主義の盟主となったアメリカと、共産主義という新たな考え方の盟主となったソビエトの陰に隠れ、イギリスの相対的な立場はどんどん低くなって行くことになります。
どうなのよこの重なり具合...。見る分にはいいけど、撮るには地獄です。
前書きが長くなってしまいましたが、コールドウォー格納庫は浜松の空自広報館が5個は丸ごと収納できる大きさを誇ります。
5個かどうかは適当な体感の数字ですが、本当大きいです。3Vボマーを筆頭に輸送機だなんだと大型機が所狭しと並んでいます。
四発機が6機も展示されています。
では、その日の沈まぬ帝国が斜陽となってしまった20世紀の後半分をたどってみましょう。
コールドウォー格納庫の歴史は、大ナントカ帝国が「ランド・オブ・ザ・サン」の国号通り地上の太陽に身を焼いた1945年8月6日午前8時15分から始まります。
原子爆弾は将来の戦争を不可能にしてしまったとかなんとか。
本格納庫は飛行機のみならず、冷戦時代の出来事(ベルリン空輸とか)の展示も非常に充実しています。
・Vickers Valiant B1
最初から3Vボマー行っちゃうよ!一連に続く爆撃機シリーズの一番手にして、一番の日陰者のヴァリアント。
展示されているヴァリアントは1957年5月15日にイギリスで最初の熱核爆弾投下を行った実機です。
で、左がイエローサンMk2水爆。威力は1メガトンパンチ。右はWE177多用途戦術核200/400キロトン。
ヴァリアントは翼桁のストレスによる空中分解の恐れから、Vボマーで最も早い1965年1月を持って全機が退役しました。
・Handley Page Victor K2
魅力的な三日月翼を持ったヴィクター。この機も本来は核抑止を担う戦略爆撃機でしたが、後に空中給油や偵察能力を得ました。
展示されているK2も空中給油機型です。90年代まで現役を続け、3Vボマーの中で最も長生きしました。
このタンカー型ヴィクターの伝説的なミッションと言えば、やはりフォークランド紛争における偵察・給油任務でしょう。
サウスジョージア島の周囲を索敵するために、大西洋中央海嶺上に浮かぶアセンション島から4機のヴィクターが飛び立ちました。道中、2機のヴィクターは残る2機のヴィクターに空中給油で燃料を受け渡し、アセンション島に引き返しました。さらに残った2機同士で燃料を空中給油し1機が引き返し、残った1機が偵察を行うという前代未聞の作戦が行われています。
・Hawker Siddeley(Avro) Vulcan B2
出し惜しみは無しだ!3Vボマー全部挙げろ!!
本当はね、RAFミュージアムを訪れたその日、フェアフォード空軍基地でレストアされたヴァルカンの飛行を見るはずだったんだ(´・ω・`)
3Vボマーの中で最も特徴的なシルエットを持った巨大なデルタ翼爆撃機ヴァルカン。もちろん本機も核抑止を担いました。
この機もフォークランド紛争で活躍しました。アセンション島から離陸。ヴィクターから10回近く(正確な数値は忘れた)も空中給油を受け、フォークランド諸島最大の飛行場に対し奇襲爆撃を敢行。僅か1回のパスで見事滑走路と飛行場の施設を破壊し、使用不能に陥れました。
・English Electric Lightning F1
英国面に墜ちた飛行機が続きます。銀翼が美しく輝きます。
イギリス最初で最後の独自開発超音速戦闘機となったライトニング。
F-35がライトニングIIなのはBAEシステムズとの共同開発ということで、ペロハチと此奴を意識してるんでしょうね。
・Armstrong Whitworth Meteor NF14
ミーティアNF14はミーティアの夜戦型の最終タイプ。ノーズが酷い。
第二次大戦後、モスキート夜戦型を代替しました。
・Gloster Javelin FAW1
唯一3階に展示されたジャベリン。英空軍の初の全天候戦闘機。
飛行試験中に2機も墜落するなど大変な難産で、飛行特性も最悪だったようですが、ジャベリンは投げやりにはされませんでした。
(お、うまいこと言うな。私。)
特に失速するとリカバリー不可能になってしまいました。だからT尾翼はやめとけとあれほど。
・English Electric Canberra PR9
英軍最初のジェット爆撃機キャンベラの偵察型。
戦闘機並みの速度があったので、偵察機としては最適でした。
2006年、アフガニスタンでの偵察活動を最後に退役するまで半世紀にも渡り現役でした。
・Blackburn Buccaneer S1
どういうわけか機首部だけのバッカニア。TSR2を押しのけ湾岸では、レーザーデジグネーター照準役として活躍。
・Canadair Sabre 4
セイバーはカナダのカナデア社がF-86をライセンス生産したもの。カナデア社は1815機を生産。RAFでも僅か3年ですが使用されました。
第二次大戦中はアメリカにジェットエンジンとはなんたるかを教える立場だったのに...。
・Lim-2
Lim-2はMiG-15bisのポーランド生産機。
で、こちらはエンジンは正真正銘ロールスロイス製。なのにどのイギリス戦闘機も太刀打ちできなかっただなんて...。
・Hawker Hunter T7
何故か練習機型複座のハンター。やっとF-86、MiG-15に追いついたと思ったら、もう米ソは先に行っていた。
「後退翼?ジェット先進国のイギリス様がドイツの技術パクるとか。ねーわw」とか言ってたら、この有様。
・MiG-21MF
もうミグはいいだろ?ここイギリスなんだし。
で、なんでファントムが無いんだ。RAFも使ってたのに。
・F-111F
戦闘機として開発された筈が何故か爆撃機になってたでござる。
偉大な失敗作。
・Avro York C1
ランカスター主翼、尾翼、機体構造、エンジンを流用した輸送機。
・Handley Page Hastings
ヘイスティングスは大戦直後の46年に初飛行した四発輸送機。アブロ・ヨークを代替しました。
貨物輸送、人員輸送、グライダー曳航などに使われました。
てかね、狭すぎて全景の撮りようがない。
・Scottish Aviation Jetstream T Mk1
英空軍の双発練習機。
・Scottish Aviation Twin Pioneer CCII
STOL輸送機ツインパイオニア。
・Short Brothers Belfast
ベルファストは最大離陸重量100tを超える大型ターボプロップ輸送機。ともかく大きくて何でも運べるから重用されたようですが、生産数僅か10機。
なんかロシア臭がするように感じるのは私だけ?
・Douglas Dakota
どこに行っても有るし、「どこに行っても、どこにでもある。」と毎回書いてるDC-3/C-47
・ミサイル類
何という充実度。もう書くのがめんどくさくなってきた。看板見てください(笑)
イギリスのミソは日本ではあまり馴染みが有りませんし、見てるだけでも楽しいです(勿論モックアップですけど...)。
・車両
スコーピオン、BMP、レオパルト1?、センチュリオン、サラディン
大衆車対決とかいろいろ。
地球は我々が住むには狭すぎるのでしょうか。
■ハンガー1
ハンガー1は練習機、輸送機の他、大量のレシプロエンジン、ジェットエンジン、ロケットモーター、ナチスの誘導弾、
地球は我々が住むには狭すぎるのでしょうか。
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■その2 コールドウォー/ハンガー1 格納庫
・コールドウォー ・ハンガー1
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