センスのない自衛隊ウェブサイト

今回は、ウェブサイトに象徴される自衛隊の問題点「広報能力の低さ」を取り上げます。

ハッキリ言って、自衛隊を扱き下ろします。バカにして笑いのネタにすらします。もし、「バカにするなど許せん!」などと思う方は早々に戻るボタンを押したほうが良いでしょう。
また、過激なタイトルですが、自衛隊に対し明らかな敵意と悪意をもっているわけではなく、私としては「こういうのを直して欲しい」という思いがある。ということを先に述べておきます。



デザインセンスの無さ
私自身もセンスは無いに等しいので、偉そうな事をいえる立場にありませんが、5年間ウェブサイトの運営を続けてきたの経験を元にして、できる限り分かりやすく、見やすく作成しているつもりです。
様々なウェブサイトを見て、良いと思うサイトに倣い、悪いと思うサイトを反面教師にしてきました。まだまだ未熟ではありますが…。では自衛隊のウェブサイト群はどうでしょう。


http://www.jda.go.jp/jasdf/naha/nahakichi.htm
(那覇基地)
反面教師の例。これを見たときに、閲覧者がどのような印象を受けるかを考えてやっているのかと疑問が浮かびます。私にはウェブサイト作成初心者が、「わーF-4の写真が動いた動いたー!」と、自己満足で喜んでる程度にしか見えません。
これが、本当に一般人が作ったプライベートのウェブサイトなら別に問題ありません。何をしようと勝手です。私もMASDF初期には飛行機のアイコンを動かして喜んでいましたから。
しかし、これは防衛庁の組織の広報活動の一環として行っているのだから、私には理解不可能です。

しかも、この不自然なF-4の写真をクリックするとリンク切れ。インターネットを使った広報活動を舐めてるとしか思えません。


http://www.jda.go.jp/jasdf/tsuiki/index.html
(築城基地)
マウスポインターに連動するアイコンが正直ウザイ。


汚く、そして異常に重い写真類
自衛隊のウェブサイトは、どこも汚い写真をしかも異常なファイルサイズで掲載しており、ほとんどが重くなっている傾向があります。

http://www.jda.go.jp/jasdf/nyutabaru/index.htm
(新田原基地)
こんな酷く汚い写真を見て、誰が喜ぶでしょう。

http://www.jda.go.jp/jasdf/nyutabaru/hikyoutaisyoukai/hikyoutai.htm
この写真は223キロバイトという、常軌を逸した重さ。しかもクソきたねー写真を載せたところで、誰一人みたいと思う人はいないでしょう。
しかも、この写真を直で飛んでみるとわかるのですが、1236*801という高解像度の写真を298*193までHTMLで圧縮しているという意味不明な事をしています。

http://www.dii.jda.go.jp/asdf/2wg/index.htm
(千歳基地)
なんとトップページに900キロバイトのgifファイル!
トップページからいきなり重ければ、多くの人はイライラさせられる事でしょう。ぶっちゃけ、たいした興味も無いウェブサイトで、トップページからいきなり重ければ、私なら戻るボタンを押すなりして閉じてしまいます。
宣伝であるのに、もはや来る者を拒むに等しい行為。


(参考比較)
http://www.af.mil/photos/index.asp?galleryID=2
アメリカ空軍フォトギャラリー

http://www.raf.mod.uk/downloads/harrier.html
イギリス空軍フォトギャラリー(ハリアー)

http://www.jda.go.jp/jasdf/gallery/bluet4.htm
航空自衛隊フォトギャラリー(ブルーインパルス)

アメリカやイギリスのサイトは、多くの写真を、印刷しても荒が目立たない高解像度できれいな写真を多く掲載。一方航空自衛隊は、画質が悪く、しかも解像度も低い写真を少量のみ掲載。
比べるに値すらしません。

http://www.jda.go.jp/jasdf/gallery/video/F15MOV.HTM
航空自衛隊動画ギャラリー(F-15)
恐ろしく汚い動画。いったい何の価値が(略) 少なくとも、私がインターネットに触れた99年から全く更新されずに放置。

http://www.jda.go.jp/JMSDF/kankansiki/phot/index.html
(海上自衛隊観艦式)

全ての写真をGIF画像として掲載。
GIFは画像が劣化しないという利点があるものの、256色しか使えないため写真には向かない。CGなどに使われるのが通常です。このような写真ではJPEGを使います。画像が劣化してしまうものの、1677万色が使用でき、ファイルサイズも小さくなります。
MASDFでも、アイコンなど一部がGIFであり、写真は全てJPEGとなっております。
ウェブサイトを作ったことの無い人には分からない方も居るかと思いますが、これは作成者にとって「常識」のレベルです。

ハッキリ言って劣悪といえる行為です。


斜め上を行くサイトたち
http://www.mae.jgsdf.go.jp/
(陸上自衛隊中部方面隊)
フレンドリーを追求して、やりすぎな例。もはや公的機関というより、個人のウェブページですよ…。

http://www.eae.jgsdf.go.jp/
(陸上自衛隊東部方面隊)
同サイト内 あやっちょ日記 人生劇場 みんな元気 (注:個人のサイトではありません。東部方面隊のサイトです)
な、な、な、、、こんなサイトされたら、男の私には批評できないじゃないかヽ(`д´*)ノ


http://homepage2.nifty.com/logsr/
陸自第1後方支援連隊(掲示板を設置し、過去にアニメの会話で盛り上がる)防衛庁ウェブサイトの伝説となった。


海自阪神基地隊(顔文字多用。あるいみカワイイ)があり。
http://web.archive.org/web/20010413172333/http://www2.odn.ne.jp/aae28620/
(阪神基地隊過去の残骸)

まぁこういう、第1後方支援連隊や阪神基地隊のような異色の存在が1つや2つあってもイイとは思いますが…。


http://www.jda.go.jp/jasdf/kasuga/kasuga_airbase_index.htm
(春日基地)
もはや、やる気すら感じられない。

http://www.jda.go.jp/jasdf/cp/index.htm
(航空自衛隊携帯ページ)
存在価値すら無い。誰が何のためにアクセスするのかと小1時間問い詰めたい。

http://www.jda.go.jp/JMSDF/newpage/daily/op/today/index.html
(昨日の出来事)
「3月8日(月)潜水艦「くろしお」が就役しました。よろしくお願いします。」
何が言いたいのか意味不明。

http://www.jda.go.jp/jasdf/engo/ob.files/slide0011.htm
「売り上げに貢献する元空士」
自衛隊での経験の意義が全く伝わらない。むしろ任期制に入隊する意味が無いと公言。



あくまでも私自身の意見を述べたに過ぎませんが、一人がそう思う以上、その数百倍、数千倍の人が「不便」に思っていると捕らえても問題ないでしょう。それが個人のウェブサイトなら無問題です、見なければ良い訳なのですから。
しかし自衛隊という組織の広報用のウェブサイトでそのように思われては、逆効果です。

売上、生き残りにに直結する企業のウェブサイトで、自衛隊並の酷いページを作っている会社など皆無に等しく、予算などによる充実さに差異はあれども、どこも見易さと利便性を追求しています。

考えてみますと、自衛隊の宣伝広報能力の低さというものが、ウェブサイトひとつとっても如実に現れており、それを象徴していると言えます。ただ、作れば良いという物じゃありません。
昔に比べれば自衛隊はオープンになってきましたし、国民の理解も高まったと思います。それでもまだまだ自衛隊は広報という点で未熟さが目立ちます。

広報を疎かにするとどうなるか?

「航空自衛隊がクラスター爆弾を隠し持っていた!!許せまじ!防衛庁長官と総理大臣は責任をとれ!!」

と、こうなります。


素晴らしい自衛隊のウェブサイト(番外編)
http://www.dii.jda.go.jp/asdf/cacw/index.html
(入間基地)
綺麗で重くない写真を多用しており、情報も見やすく整理されている。デザインセンスも抜群に良い。

http://www.nae.jgsdf.go.jp/7d/index.html
(陸上自衛隊第7師団)
入間同様、デザインも良く情報が整理されている。非常にみやすい。


「NASAで最も重要な仕事は、月面調査でも宇宙飛行士でも無い。国民に理解を求める広報活動だ。」
(「最も大切な仕事は?」という記者の質問に対して、NASAの回答)