開かなかった落下傘

本来なら、アルティメーターでやるネタですが、2003年の火力演習の写真は公開する予定が無い(この記事を書いてるのだって1年経ってますしね)ので飛行機の話で紹介します。

陸上自衛隊の最大イベントといえば、毎年富士東演習場で行われる、総合火力演習でしょう。
「たまに撃つ 弾が無いのが 玉に瑕」と、揶揄される自衛隊ですが、この日は自動小銃から戦車砲、ミサイルに至るまで様々な武器を発砲します。
私も毎年楽しみにしており、2000年、2001年、2003年と3回目の総合火力演習でした。

演習が始まる前に
「この前落下傘が開かずに、そのまま落ちた隊員どうしてしまったのだろう?」
などとブラックジョークを言いながら空挺団の降下を待っていたのですが、2003年の火力演習は残念ながら、あんまり天候が優れませんでした。よって第一空挺団による落下傘降下が中止されるのではないかと懸念していました。

しかし天候偵察の結果、たまたま雲が晴れたので運良く空挺団降下が実施されることになりました。



上空を飛行するCH-47から続々と飛び出す自衛隊員、たくさんの落下傘がゆっくり空を滑空していきます。
その中で…

あ、落下傘が開ききってない!

一人の隊員の落下傘が半分しか開いておらず、あきらかに完全でない状態で、旋回しながら速いスピードで降下しています。

場内が騒然とする中、その隊員は、そのまま地面に叩きつけられてしまいました。
無事に降下した他の隊員は即座に彼のもとに駆け足で向かい、すぐに救急車も彼のもとへ走り出しました。

「安全確認のため少々お待ち下さい」の場内アナウンス。

そして数分後…

「無事に全隊員降下することが出来ました」と、アナウンスされました。

無事じゃねーじゃねーかよ!!(゚□゚;)
アナウンスもむなしく、場内のどよめきは収まりません。不時着してしまった隊員の安否が気遣われますが、運営側はそのようなことお構いなしで、何事も無かったかのようにイベントは進行して行きました。

結局この日、事故に関して発表されることはあらず、帰宅中もこの話題は何度もあがりました。ブラックジョークがジョークにならなくなってしまった今、様々な憶測があがりました。


後日情報を得たところ、隊員は全治1〜2週間程度の捻挫と打撲を受け、不幸中の幸いにも軽い怪我で済んだようです。しかし、これも確定情報でなく、あくまで人から聞いた噂話であり、公式発表はされていません(多分)。
私はスカイダイビング経験はありませんので、緊急降下していく自衛隊員の心境を察することはできませんが、どんなに訓練されいている空挺隊員であろうと、さぞ恐怖であったことだろうと思います。



ともかく、命に別状がなく何よりでした。