2005年 ネリス基地ラスベガスエアショー Aviation
Nation2005 飛行展示編その2午後の部
飛行展示編午後の部です。
午前の部の最後のベトナム航空戦ショーが終わり、続いてサンダーバーズエンジンランナップが行われました。
ただ、これは本当耳をふさぐほどウルサイただの騒音だけなのでカットしまして、いよいよ午後に入ります。
便宜上午前と午後に分けておりますが、実際このような区分はありません。
■地上展示編
■飛行展示編(午前)
■サンダーバーズ編
■飛行展示編(午後)
EAAF Experimental Aircraft Association Formation。EAAとは個人で航空機を持つ人たちの業界団体です。
多くの航空機による大編隊飛行です。ダイヤモンド編隊でさらに大きなダイヤモンド編隊を組むダイヤモンドオブダイヤモンド等、多くの航空機を活かしたまったりとした雰囲気の中で展示が行われます。見たことの無い編隊パターンは目新しく面白いです。
EAAフライト終了後は沢山のT-6が離陸します。次の次のプログラムT-6テキサンクラスエアレースデモに備え離陸した機は一度空域を離れます。
誰がどうみてもテキサンじゃないP-51D(似ていますがやや小さいサンダーマスタングというそうです)も離陸します。
サンダーバーズ塗装のT-37タロンも参加予定でしたが、残念ながら中止されてしまったようです。
なぜか二日目の早朝にさっさと帰ってしまいました。
エアレース参加機がすべて離陸した直後にピッツS-2によるAIR
FORCE RESERVEデモンストレーションフライトが始まりました。
パイロットはエド・ハミル。ピッツなんて見慣れているわけで特に変わったことなしです。ロック岩崎さんを思い出しますね(´ー`)
先ほどEAAフライトに参加した機がやってまいりました。小型とは言えどもこの数のタクシーは圧巻です。
右の機はYak-50というソ連機だそうな。
エアレーシングの始まりです。さすがに同じエンジンを搭載した同じ機種だけあって殆ど差の出ないとてもスリリングな展開と
公式なルールには則っていない、半分やらせのエキシビジョンレースではありますが、密集したままでのコーナーターンはとても見応えが有ります。
エアレースも盛り上がっている中、F-15イーグルがデモフライトのため目の前をタクシーしてきました。
イーグルのフライトは次の次の次です。過密なスケジュールのため、こうしてフライト中にも関わらず準備しているのです。
メインストレートを通過する各機。その中でぶっちぎりで速いのはやっぱりP-51Dです。
「わざと」コーナーで抜かれているくせに、ディープインパクト顔負けの直線一気ごぼう抜きはさすがです。
勝って当たり前の機なので当然ですが(^^;
マスタングのエンジン音ってマイクロソフトのコンバットフライトシミュレーターと本当に同じ音がします(笑)
なんか、AV-8B+ハリアーIIが滑走路中ほどまでやってきました。ひょっとして短距離離陸するのかな?
一時停止してから、エンジンフルスロットル!ハリアーデモンストレーションフライトのスタートです!
エンジンノズルが下向きになり、もうギアが浮いてます!その時間わずか5秒!
1個前の写真と見比べてください。殆どハリアーの見かけ上の角度が変わっていません。
しかもノーズギアより先にメインギアが離れるとは、さすがハリアー!
そのまま一気に上昇します。以前、横田で短距離陸は見たことがありましたが…す、凄い…(^^;
離陸し、一度会場を離れたハリアーは高速で接近、会場正面で最大性能を発揮した急旋回を行います。
ノズルを動かすVIFFは見せてくれませんでした。
こんどは右側からゆ〜〜〜〜〜〜っくりやってまいりました。
そのまま減速すると空中で静止しました。そうおもったらこんどは空中で後退です。
ハリアーがVTOL戦闘機である事など誰もが知っている当たり前の当たり前、常識中の常識ですが…
バンク角を取り、左右に平行移動します。そのあとは静止したまま360度一周です。
VTOLを知識で知っているのと、実際の目で見るのとでは全く違います。はっきりいってハリアーの飛行展示は感動そのものです。
再び正面を向くと、徐々に降下してまいりました。どうやら着陸するようです。
Touchdown!! 着陸と同時にノズルは通常位置に戻りフラップアップ。
酷い騒音は消え、静かになった会場からは拍手の大喝采!!誰もがハリアーの動きに大感動です。
同じようなアングルの写真が続きますが、再びフラップがダウンしノズルが下向きになります。
大騒音こそ同じですが、着陸とは打って変わって、明らかにフルスロットルと分かる黒煙を吐き出し垂直上昇を始めました。
一旦上昇をとめ、ランウェイと平行になりそのまま急角度で上昇してゆきます。
ペイロードゼロとはいえ、ハリアーは本当に凄い戦闘機です。
最後に短距離着陸したハリアーが前の前をタクシーしてまいりました。
その素晴らしいフライトに最高の大歓声が上がります。
なお、短距離着陸は滑走路のほとんど終端でタッチダウンです。ありえなさすぎ(笑)
ハリアーは動画を用意しております。VTOLはビデオで見ると面白いですよ。
AV-8Bデモフライト公開中
余りのハリアーのフライトの素晴らしさにタクシーするハリアーにくぎ付けになってしまいましたが、既に正面では次の飛行展示、
ショーンタッカー氏のオラクルフライトが始まっています。機種はピッツS-2。ショーンタッカー氏はあのロック岩崎氏の師匠です!
超低空テープカット! 恐怖と言う物を知らないのでしょうか。
しかし、さすがに故ロック岩崎氏の師匠です。エアロックのフライトで見たことがある機動を多く見せてくれます。
いかにロック岩崎氏がショーンタッカー氏の影響を受けたかを実感する事が出来ます。
管制塔に挨拶も忘れません(笑)
オラクルフライトが終了し、次々回の飛行展示、ヘリテージフライトのためP-51Dが離陸します。
さすがにT-33,MiG-17,F-16といった面々に比べると、ややおとなしい感は否めません。
機体も小さいし、エンジン音も小さい、加速もちいさいですね(^^;
P-51Dに続き州兵所属の現役バリバリのF-4E(QF-4標的機だそうです。いずれ撃墜される運命に)が離陸します。
離陸直後の素晴らしい捻り!! 背景のサンライズマウンテンとマッチしいい味出してます。
ちなみにヘリテージフライトとは、現代機と旧型機が世代を越えた編隊飛行を見せる、アメリカのエアショーではほぼ確実に行われる、
日本では夢のまた夢のような展示です。今回はP-51DにF-4E、そしてF/A-22が行います。
来ました来ました来ました!!!最新最強F/A-22ラプター!
P-51DやQF-4とは桁違いの速さで離陸し、そのまま加速します。
会場正面で一気に機首上げ!会場のボルテージは絶頂に達しています!
アフターバーナー全開でハイレートクライム!F/A-22はどこまでも抜ける青空へと消えてゆきました…。
またゲームに例えますが、エンジン音はエナジーエアフォースにそっくりです(笑)
しかし、F/A-22のエンジン音は最高にウルサイ!
F/A-22離陸後は先ほどタクシーしてまいりましたF-15のデモンストレーションフライトの始まりです。
“Now from your left air speriority fighter
F fifteen EAGLE!”
F-15が加速を開始しました!
すげええええええええ!!!
いきなり度肝を抜かれました。こんな離陸見たことがありません!!!
あまりの急激な引き起こしで陽炎が曲がってます! ハリアーやF/A-22を蹴散らすかのような、さすが元祖垂直上昇野郎!
そのままハイレートクライムで上昇を続けます。航空自衛隊の航空祭では絶対こんな離陸しませんよ…。
あえて言うならば、日本の航空祭でのF-15Jはあくまで「機動展示」であり、今回のF-15Cはどこまでも「アクロバットフライト」
三沢基地のF-16デモンストレーションチームのように、このF-15も米東海岸デモンストレーションチームの機体なのです。
テイルレターはFF。なお湾岸戦争の空対空全撃墜数のうち殆どをFFのイーグルが記録しています。
もちろん、F-15JもF-15Cも性能は変わりませんから旋回などの性能に差はありません。
しかし、連続した機動の連続は見るものを圧倒させます。F-15の凄さを改めて実感しました。
「機動展示」と「アクロバットフライト」は迫力が全く異なります。
4ポイントロールや高速エルロンロールなどは日本では絶対に見られません。
航空自衛隊では、ブルーインパルス以外背面になることは自主規制しているからです。
写真では全く伝わらないでしょうが、ともかくパワフル!ともかく速い!
アナウンスを聞くと時速1100km/hは出しているそうです。マッハ0.9…。
最後はナイフエッジパスを決め、コンバットピッチに入ります。
F-15の中の人は良くやった、感動した!
ぜひ、動画でもご堪能ください。
F-15Cデモフライト公開中
コンバットピッチのあとは着陸ですが、そんなもの撮っているヒマは有りません。
右からF/A-22来てる!!!!
F/A-22,QF-4,P-51Dによる、写真を撮ってくださいといわんばかりの見事な編隊旋回を見せます。
まだF-15タッチダウンしてませんよ(^^; 本当、朝から忙しいエアショーです。
会場後ろからやって参りました。頭上を通過します。
経験とカンがこのあとにブレイクをする事を告げています。
ブレイクナウ! ほらやっぱり(笑)
ブレイク後は各機別の機動を行います。
P-51Dからおよそ30年のQF-4。F-4Eからおよそ30年のF/A-22と、やはり世代に見合った動きをします。
F-15が着陸しましたが、それどころではないのです(´ー`)
左からF/A-22がやってまいりました。チャンス!
なかなかいいアングルですが、2枚目はのっぺりしすぎてどこか気持ち悪い感じは拭えません…。
次は右から高速で接近です。会場正面でハイレートクライム!
F/A-22は本当ピカピカ光ります。見事に露出オーバーしてますね。要らぬ心配かもしれませんが、実戦では大丈夫なのでしょうか。
目視内距離なら遠距離から発見されてしまう弱点を持っているように思えてなりません。
それほどF/A-22はよく光ります。
ちなみにこれ、会場に2箇所設置されたビッグスクリーンなのですが、何が映っているかおわかりになられますでしょうか。
リアルタイムでF/A-22を上空からビデオ撮影しているのです。画面をカメラで撮影したためちょっと画像が荒くなってしまいましたが、実際はかなりきれいな映像です。
その撮影機の正体はプレデターでした。プレデターは音も聞こえないような上空遥か彼方で、エアショー中ずーーーっと我々を撮影し続けデータリンクでリアルタイムに地上へ送信しつづけていたのです。
このプレデターも殆ど偶然発見した物で、一緒に来ていたひれさんにもプレデターが居る方向を教えましたが、全く見えなかったそうです。写真も等倍までトリミングした、限界いっぱいいっぱいの大きさです。
他にも地上に2〜3台のテレビカメラや、地対空ミサイルかと思うような馬鹿でかいカメラを設置するなど、まるでプロスポーツ中継のような設備を備え、エアショーに対する米軍の意気込みを感じさせられます。恐らくどこかに中継センターあるのでしょう。
プレデターについては、1日目と2日目では若干の違いが有りましたが、それは最後の最後に語る事としましょう。
F/A-22の着陸です。ラダーとエレベーターだけならず、エルロンまでもがエアブレーキの役割をしている事がわかります。
ハリテージフライトを行った全機が着陸しタクシーしてまいりました。2機のP-51Dうち1機は予備だったのでしょうか。
P-51D。銀色に輝くプロペラのハブが美しい。 右側の機は反対側に(卍)の撃墜マークが書かれていました。
F-4E。日本でも見ることが出来る戦闘機ですが、このベトナムカラーもなかなか似合っていますね。
最後は超主役F/A-22。ラダー、エレベーター、エルロンをぐりぐり派手に動かしてます。
P-51D,F-4E,F/A-22Aによるハリテージフライトはムービーを用意しております。
F/A-22 QF-4 P-51D ヘリテージフライト公開中
ハリテージフライト終了後はUSOショーの始まりです。
USOとは米軍の慰問団体で、戦地で歌や踊りなどの娯楽を提供します。
むろん、そんなショーには全く興味がありません。出演者が泣き出したりUSA!USA!臭さ満点です。
ので1日目はバーズのためにそのまま最前列場所取り、2日目は朝に見逃した地上展示を見てまわりました。
しかし、ふと空を見上げると…
“WELCOME HOME VETS USA”
「ベトナムの勇士達よ、お帰りなさい。」
そう、午前の部の最後に行われたベトナム航空戦デモもありましたように、今回のネリスエアショーのテーマはベトナム戦争なのです。
ポカリスウェットのCMで有名なスカイタイパーズという、空中に文字を書く専門の飛行チームがどこからともなくあらわれ、USOショーの生演奏にあわせて青空にメッセージを書き残します。なんともニクイ演出です。
さて、あとはいよいよ主役・サンダーバーズを残すのみとなりました。
■地上展示編
■飛行展示編(午前)
■サンダーバーズ編
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