2005年 ネリス基地ラスベガスエアショー Aviation Nation2005 飛行展示編 サンダーバーズその3


地上展示編飛行展示編午前の部飛行展示編午後の部


■サンダーバーズ
いよいよエアショーの最後を締めくくるサンダーバーズの出番です。2004年サンダーバーズ来日の雪辱を果たす時がやってまいりました。初日は一日全く雲の無い素晴らしい天気でしたが、二日目はバーズの頃になってやや曇りがちになりました。しかしそれでも両日ともに全ての展示が滞りなく行われました。
RWY03/22R・Lを持つネリスの西側に観客席を持つため、午前中は逆光ですがバーズの午後3時ごろになると次第に日も落ちほぼ順光となります。

普段T-4のブルーインパルスを見慣れている我々ですから随所で比較しますが、サンダーバーズの演技を一言で言うならば、
「ともかく速い!うるさい!」
T-4とF-16では機体性能が桁違いですから当たり前なのですが、A/Bを用いるソロの展示ほどこの傾向は強くなります。私が感じた一番の印象である、速い・うるさいを写真で表現するのが難しい事が残念でありません(^^;

エアショー二日目は目で見て楽しむ方針でいたため、98%の写真は初日に撮影したものです。
前もってバーズの演技を勉強していたため(笑)幸い殆ど全ての展示飛行を網羅する事が出来ました。
では、前置きはこの程度にしてサンダーバーズ写真集に入りましょう。

ネリスの展示区域は日本でいうなら横田や岩国レベルの広さがあるため、あまり混雑を感じる事は有りません。エプロン自体が広いの有りますが、かつ来客もそう多くは無いのでしょう。人口200万都市ラスベガスから僅かに離れれば砂漠であり、最寄の都市ロスアンゼルスまで自動車で余裕で5〜6時間はかかります。日本のように近隣都市からやってくる人が居ない事、そして日本人のように必死こいて写真やビデオ撮影する人(私たちのことw)が少ないのもあるのでしょう。
しかし、さすがにサンダーバーズの頃になると滑走路に近いエプロンの前列はやや混雑してまいります(もっとも日本のレベルに比べれば混雑と言えるレベルではありません)。

いよいよサンダーバーズのスタートです。

なお、演技名は殆ど自信がありません。アナウンスを何度聞いても聞き取れない演技があるため、
(間違いなし)・(多分)・(自信なし)・(適当)以上4区分に分けられます(笑)



サンダーバーズ動画公開中(87Mb 22分)
ほとんどの演技を最初から最後まで撮影したムービーバージョンも用意しております。

以下、演技名に付けられた時間の標記は、ムービーのタイムラインとリンクさせております。


■サンダーバーズ写真・レポート集

ウォークダウン〜タクシー 00m00s〜


パイロットが機体に乗り込む前から演技が始まっているのはどこも同じ。ただ、サンダーバーズのウォークダウンは死ぬほど長い!
彼らの愛国心と忠誠心溢れる大げさで臭い演技を暫く見つづけなければなりません。体感でブルーインパルスの3倍はあります。
そう、ここは国民全てがUSAを愛してやまない異国なのです。

フィンガーチップテイクオフ 02m16s〜

散々焦らされ、ライトスタッフの高揚感あるBGMとともにようやく離陸です!
なんとフィンガーチップ編隊を保ちながらにも関わらずアフターバーナーを使用して離陸し、暫く上昇後に4番機後方に付きダイヤモンド編隊に移行します。
4番機の機動はブルーインパルスのような離陸直後の急激さはありません。おそらくF-16では不可能でしょう。

エルロンロールテイクオフ 03m00s〜

5番機がソロで離陸し、エルロンロールを行います。

ハーフキューバンエイトアフターテイクオフ 03m16s〜

6番機がソロで離陸し急上昇します。豆粒大にまで上昇後ハーフキューバンエイト機動を行い再び会場正面を高速で通過します。

ダイヤモンドループ 03m57s〜

「United States Air Force demonstration squadron THE THUNDERBIRDS!!」
のアナウンスと溢れる歓声の元、先ほど離陸した4機編隊はダイヤモンド隊形で会場後方より頭上を通過します。
会場正面で急上昇、上昇の頂点で、向かって左側に針路を変える変則ループを行います。

オポジングナイフエッジパス 04m45s〜

5・6番機が左右から進入し、ナイフエッジ状態で至近距離を交差します。高度差はゼロに等しく、凄い交差距離に呆れ返ります(笑)

サンダーバーズダイヤモンドターン (ムービー収録無し)

正面左よりトレイル編隊で進入し、会場正面でダイヤモンド編隊へとチェンジしそのまま360度旋回します。

ハイスピードインバーテッド 04m59s〜

その展示名が示すように5番機が左から高速で進入し背面状態で会場正面を通過します。

インバーテッドトゥインバーテッド 05m08s〜

先の5番機が左へ抜けたとおもったら、既に次の6番機が進入しつつあることに気が付きます。
背面で進入し、エルロンロールを行い再び背面になり、やはり高速で右方向へパスしてゆきます。

ダイヤモンドパスインレビュー 05m24s

クローズなダイヤモンド編隊で右後方から進入し、会場を囲むようにして左後ろへと飛行します。
ブルーインパルスのファンブレイク反対版。

ナイフエッジパス 05m41s〜

左から5番機が接近、やや上昇し左90度ロールし機体下面サンダーバーズのエンブレムを見せる形でナイフエッジを行います。


スローロール 05m56s〜

右から6番機が進入、やや機首を上げてスローロールを行います。ロールはスローでも速度は速い。

ダイヤモンドロール 06m21s〜


前方左よりダイヤモンド編隊で進入。大きなバレルロールを行います。

8ポイントロール 06m43s〜

5番機が右から水平飛行で進入、やや上昇後45度ずつ8回ロールを止めて再び水平に戻ります。
感圧式で遊び分しか動かないサイドスティックでやってるのですから考えてみると面白い演技です。

マキシマムレートエルロンロール 07m12s〜

編隊後右から5番機、左から6番機のパターンが休む事無く続きます。
6番機が左より進入、F-16のロールレートを最大限に発揮し、連続4回のエルロンロールを行います。
パイロットはよく目を回さないものです。

アローヘッドループ 07m33s〜

右よりアローヘッド編隊で進入、会場正面でループを行います。

カリプソ 08m19s〜

左より背面状態の5番機と水平状態の6番機が微妙な編隊で進入。 (5)のマークが逆さまに描かれているのが良く分かります。
なお、リーダー機は背面の5番機で6番機がウィングマンとなります。背面状態で編隊を維持しろといったら鬼ですね。

ボントンロール  08m51s〜

4機が緩いダイヤモンド編隊で左より進入、会場正面で一斉にスモークを止めてロールします。

クロスオーバーブレイク 09m28s〜

後方より5・6番機が進入、頭上を越えて2機が至近距離を交差します。
私が持っているDVDでは前から進入だったのですが…。

サンダーバーズダイヤモンドループ 09m49s〜


後方よりトレイル編隊で進入。先ほどあったダイヤモンドループにトレイル編隊からのチェンジを加えたもの。
これやんならさっきの要らないじゃん…。

オポジング4ポイントロール 10m43s〜

左右から5・6番機が進入。4ポイントロールを行いながら至近距離を交差。ナイフエッジパスに酷似しています。
ノーズが少し欠けてしまったのを見たときは天は我を見放したもうたか。と感じました(笑)

トレイルトゥダイヤモンドロール 11m01s〜

会場正面左よりトレイル編隊で進入。ダイヤモンド編隊にチェンジしつつバレルロールを行います。ダイヤモンドロールと変わらないじゃん。

「難しいマニューバーだから、よく見てください」というアナウンスと、
映画ジョーズのおどろおどろしいBGMとともに、会場全体が編隊に釘付けになります。

ロールも終わりに近づき、編隊が右側に達し誰もが右側見ている中、


ドゴオオオオオオオオオ!!



左から6番機が至近距離を背中を見せながらA/B全開でもんのすごい高速パス!
雄大なトレイルトゥダイヤモンドロールに魅入ってる中のこれです、心臓縮み上がりましたよ…(笑)

「ウウェアーーーガッチョ!!モッホーーン」(って聞こえるコミカルなBGM)
で、会場の全員がいっぱい喰わされた事に気が付き笑顔が漏れます。一日目で分かってたはずなのに二日目も見事に騙されました。

ざけんなそんなの撮れるかあqwせdrftgyふじこlp!!

意味分からないでしょうから、ムービーも併せて見てください。ムービー担当のひれさんも思いっきり騙されてパニックになっています(笑)

ローアンドスロー 11m29s〜

5番機失速ギリギリの低速で大きくAOAをとって右側より進入。そのまま低速でパスし、
会場正面でアフターバーナーを焚き強引に上昇します。

ダイヤモンドオーバーテイク 12m14s〜

2機ずつ間を開いた編隊の真中を6番機が高速で通過します。
編隊は左方向へそのまま離脱しますが、間を突っ切った機はキューバンエイト機動を行います。

5カードループ (ムービー収録無し)

ファイブカードという珍しい編隊で右から進入。会場正面でループを行います。

バーティカルクライムロール 13m20s〜

6番機が左から高速で進入、会場正面でロールしながら急上昇します。アフターバーナー無しでこれです。

ラインアブレストブレイク・ソロ・ダイヤモンドループ・クロスオーバー 13m49s〜

左より5機のラインアブレスト編隊で進入。ほぼ垂直になった状態で5番機が離脱し編隊とは逆方向にループします。
その後、会場正面で交差します。が、撮れませんでした(´ー`)

マキシマムGターン・ハーフキューバンエイト 14m38s〜


6番機が最大性能を発揮した急旋回〜上昇を行います。他の基地では小さくて写真になりませんが、
ネリスの背後の山が味のある背景を演出します。
サンダーバーズは機体が真っ白ですからLEXからのベイパーが目立ちません。

ダイヤモンド360 15m34s〜


右から4機のダイヤモンド編隊で進入。低い高度を360度旋回します。
一周が終わると会場後方から5,6番機が高速で進入し、会場を驚かせつつ(またですよ…。)ダイヤモンド編隊を追いかけます。
ムービーでは見事驚かされて、「え!!?」という感じが分かると思います。

デルタターン 16m50s〜

ダイヤモンドターン2週目で合流した6機はそのまま旋回を続け、今度は5・6番機を加えたデルタ隊形で右から左へ抜けるように180度旋回します。

デルタロール 17m26s〜

デルタ編隊で左から進入し、大きくバレルロールを行います。

デルタループ 17m56s〜

次はデルタ編隊で右から進入、会場正面でループします。6機編隊はここで一度解散します。
この演技中、正義だ真実だとか、要は「USA万歳!」という内容のアナウンスが流れます。
この演技に限った事じゃありませんが、BGMはどれもこれもアメリカアメリカ連呼しすぎの凄い国威発揚…(^^;

ブームバースト 18m52s〜


編隊は再び4機になりダイヤモンド編隊で左から進入します。会場正面で垂直上昇し各機ブレイクします。
左から5番機が高速で進入、スモークの軌跡の真中をバーティカルクライムロールで駆け上がります。
ヒュ〜〜バンバン!と花火のBGMが素晴らしい。

クロス 19m38s〜

先ほどブレイクした4機が低空を高速で様々な方向から交差します。
会場のボルテージは最高潮に達します。

ダイヤモンドパス(リジョインフォーメーション) 19m49s〜

右側から会場正面を通過しながら、交差した4機が正面で集合します。
落ちる太陽の斜光を浴びてキラキラ。

リフレクションパス 20m18s〜

右から5・6番機が進入。先ほどのカリプソとは上下関係がやや異なります。
リフレクションの名の通り真正面で鏡のようにピッタリと向かい合った瞬間に会場から盛大な歓声があがります。

ミッシングマンフォーメーション 20m35s〜

殉職されたパイロットの名前が読み上げられ、慰霊飛行を行います。
正面からフィンガーチップ編隊4機で進入。3番機が天に昇る殉職者を演じ、スモークをカットし急上昇します。

ピッチアップブレイク〜着陸 20m54s〜


左方から6機デルタで進入。1機ずつ上昇ブレイクし着陸するための間隔を開けます。
そして着陸。
パイロットやサンダーバーズ関係者の皆さん、二日間のショーお疲れ様でした!


さて、楽しかったネリスエアショーも終わりを迎え、滞在先のホテルLuxorに帰る時間がやって参りました。
地上展示を軽く見てまわりつつ、バス乗り場に近づくと…。

プレデター!
常に我々を上空遥か彼方で監視(!?)していたプレデターが低空に下りてきてるではありませんか。
次の瞬間ドン!ドン!と、爆発音滑走路方向で炎が上がりました。そう、このプレデターをよく見ると翼に二発のヘルファイアを搭載しているのです。

爆発音と同時に、「チャリラーチャリラリラーリー ♪」
……唖然(;´д`)
詳しくはプレデター動画…(中画質)1.560kb

無人機と言う非常に恐い存在からのショックを増幅するかのようなJ.S.バッハの「トッカータとフーガ ニ短調BWV565」をBGMとして用いる演出のうまさに思わず閉口してしまいました。
こんなのがアフガンやイラクではVIP殺害に活躍し、あまつさえMiG-25に空対空ミサイルを発射(さすがに返り討ちに合いました)する時代になったのですから、アメリカの末恐ろしさを感じてしまいます。
なお、二日目はこの展示は昼頃に行われました。何の前触れも無く急に爆発が有ったので、まさかー。と思い空を見上げると…。居ましたプレデター。
私がイラクの要人であったら死んだ事も気が付かなかったでしょう。
そんなこんなで、私は今回のエアショーでプレデターを大変気に入ってしまいました。本当ニクイUAVです。
BGMの演出のうまさと言えばサンダーバーズも同じです。一つの演技に1曲ずつ割り当てられており、毎回演技に見合ったBGMが変わります。


最後に、ネリスエアショーに行ってみたい!と興味を覚えた方に大変役に立つ素晴らしいサイトを一つ紹介します。
優翔くんネリスエアショー案内を熟読しておきましょう。ただし、CATバスは二階建てのDEUCEと名前が変わっていますので注意。
また、ラスベガスという街は世界最大のエンターテイメント都市です!エアショーだけを目的に行くにはあまりにももったいな過ぎます。ぜひ観光を混ぜて楽しんでください。

さて、以上でネリス基地ラスベガスエアショー Aviation Nation2005写真集を終了します。4回にわたりお付き合いいただきありがとうございました。
近々、ここまでで書けなかったネリス・ラスベガスのネタ満載の裏話を作る予定です(´ー`)


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