〜第5章 インパール作線〜
タイ〜ミャンマー〜インド
予定飛行時間:2時間11分
実際飛行時間:2時間15分
飛行時刻 :0800〜1020(タイ標準時)
実際飛行時刻:0800〜1020(タイ標準時)
飛行距離 :901海里(1710Km)
巡航速度 :320kt(600Km/h)
燃料消費 :4000ガロン(53%)
天候 :快晴雲量ゼロ
風 :無風
・ブリーフィング
タイ王国の街を堪能するものの長居は無用、颯爽とインドはカリカット国際空港に旅立つ。それよりなにより飛び立つのは良いが今回は夜間。困った事に夜間着陸には全く自信が無いんです…夜三時、ドロボウとテレホーダイなネットジャンキーしか起きていないようなこの時間。バーディゴに陥らないよう気をつけなくてはいけない。なお今回からラダーペダルとスロットルレバーが我がデスクトップコックピットに配備され、今までと違った飛行が楽しめることになった。それに伴いP−3Cのエンジン音も本物に変えた(今まではリアジェットだった。)操縦インターフェースもエンジン音もリアリティが格段に増した。だがサイドスティックなのは仕方が無い…ヨークが欲しい!
フライトプランは下図の通り。
夜らしさが出ててカッコイイでしょ?
・フライト
いつも通りフライト前のチェック。あれ?何にも見えないぞ?
ん〜、暗くて計器灯のスイッチがどこについてるのか分からない(ToT)…手探りでスイッチを探して闇雲にスイッチをONにした。フラップが下がる音がしたりしたが何とか探り出して計器灯を付けた…まぁフラップ下げる手間が省けたが…
計器灯をつけるとこんな感じに
右手でしっかりと操縦桿を、左手にスラストレバーをしっかりと握り締め、レバーを徐々に前に倒す。プロペラの回転音が高くなり加速していく。足を使ってまっすぐ走るように調整し真夜中に滑走っする。今回はそとの景色に頼ってはいけない。全て計器で飛ばなくてはならない。離陸速度に達し操縦桿を引きタイの星空へ…おっとと右によれてる、左に修正。今度は速度が落ちてる、機種の上がり過ぎだ、ちょい下げ。む〜、視界が無いと計器を頼るしかないので非常に忙しい!右旋回し一路カリカット目指す針路を取る。また夜間の右旋回がつらい…訓練不足に悩まされながらなんとか高度23000ftまで達し、オートパイロットをONにする。GPSナビゲーションにインプットされた通りに飛行するので安心だ。
当然ながら全くの暗闇
目的地のインドと言えば宝石と物乞いの国として有名。ちびまるこちゃんの作者、さくらももこのとある著書にインド旅行記が有ったが、物乞いは訳の分からんぬ鞭を売ってくるは、遺跡で歴史を語ってきたオジさんが後でイキナリ「話し代よこせ」だの、さらには道を聞いたらウソを教えられ、国に帰る時は「これは国外に出しちゃイカン。」などと、うそを言われ、挙句の果てには「どうしても持っていきたきゃ**ルピーくれ」と、とんでもない国らしい。銀行でルピーを円を両替する時もちょろまかそうとしたようだ。一抹の不安もあるが、タイ王国より軍事政権国家ミャンマーへ飛ぶ。これから先は中近東区域に入る訳だが政治的不安定な国が多い。ミグ戦闘機に怯える事になりそう…
コックピットから雲一つ無い空を見ると…そこには美しい星空が…無い!全く無いのだ!しょうがないので夜食でも食いにコックピットから引ッ下がる事にした。
出発から二時間が過ぎ、巡航から降下にうつった。もうしばらくすればカリカット国際空港、ある程度降下したところで自動操縦に切り替えストレーティングアプローチを管制官に伝える。許可が下りた、ILS進入を試みるべくNAV1の周波数セット。グライドスロープが上に、ローカライザーが若干右にずれている。降下率を増大させるため若干パワーを落し、左右のずれを修正するのにラダーペタルを右に踏み込む。滑走路の灯火が、筋となってP−3Cの訪問を祝福するかのようだ。
まっすぐに伸びる二つの滑走路と街燈
(サムネイルだと見えないので…)
滅多にやった事の無い夜間着陸を成功させるために神経を最大限に集中させる。・・・・・・周りの音が一切消えた。もうエンジン音プロペラの回転音も聞こえない、マーカービーコンの音だけがこだまし、滑走路が目前に迫る。ここからがあっという間のようで妙に長い時間のように思えた。難なくタッチダウン。逆噴射をかけ減速、ブレーキをかけて停止し、無事故で地面を踏む事ができた。
デブリーフィング
P−3Cでの夜間着陸はこれが初めて。手動に切り替え、バーディゴに陥ったことも何度か有るものの危なげも無く?カリカットに到着する事に成功した。今回最大の見所は夜間着陸、これはかなり緊張した。本文にも有るように神経を最大限に研ぎ澄ましての着陸、ローカライザーを微調整するためにラダーを踏むと当然ながら機体も若干傾く。いつもなら前方を見て簡単に修正できるのだが、当然真っ暗なので修正の仕様が無い。水平義がこれほど頼もしく思えた事は無かった。大破したらここで旅が終了、愛する人の待つ(?)日本に帰れずインドで一生をすごす事にならず良かったの一言に尽きる。
夜間は怖い。GPSが装備されていなければ自分の位置が全くわからないのだから…
って言うか手抜きすぎ(爆)