眼下の敵
作戦中死んでいった仲間。そして果敢に攻撃し、散っていったKnight国航空兵に捧ぐ。
MASDF幕僚本部から敵基地を爆撃せよとの指令が入り、臨時第1爆撃飛行隊を結成。
編隊長 Mayacyan:まやらー
二番機 sera:セラ
三番機 hire:ひろし
護衛機 tokurero:トクレロ(三式戦闘機・飛燕)
0600
隊舎にて起床。出撃を前に目の前は全てがグレーに染まっているように思えた。
本音を言うと高射砲と敵戦闘機の嵐から逃げ出したい。が、自分だけ逃げるなどと言う恥さらしをするわけにはいかない。
1100
ブリーフィングを受ける。Knight国の飛行場を空爆せよとの命令を受ける。兵装は1000ポンド爆弾を6発。
1200
出撃のため愛機B-17G’Flying fortress’へ滑り込む。これから生死を共有する10人のクルーと共に。
1220
エンジンの暖気運転が終了し離陸。帰りを待つ家族の為にも生きて戻らなければならない。
(前Mayacyan 右sera 左hire)
飛行開始。適当に編隊を組んで目標へと向かう。トクレロの飛燕はいつのまにか消えていた。
1300
比較的近い基地への攻撃だったため、すぐに目標上空手前に到着した。下の方に2機敵機が居るが、レシプロでこの高度まで上がるのには時間がかかるので直接脅威にはならないだろう。
Mayacyan:「全機ボムベイオープン。爆撃行程に入れ」
凄い対空砲火だ。あえて表現するならば、記録映画のハンブルグ爆撃のようであった。とても現実のものとは思えない。
!!
ジーザス!FLAKを食らった!
88mmの爆風と破片をくらったが飛行に支障は無い。が、後にボール銃座のガナーが死亡していた事を知る。
Mayacyan:「よおし…あと1マイル……ボムズアウェイ!」
6発の1000ポンド爆弾を投下する。投下後左に旋回して離脱。
ヒット!フライトハンガーを破壊することに成功。僚機のhireも爆撃を成功させ、すぐ後ろに付いてきている。
刹那。それは起こった。88mmか37mmかは分からないがhire機に直撃。翼が吹っ飛び、煙を吐き出しながらゆっくりと落ちて行った。
我々に彼らを助けることは出来ない。ただ見守る以外は。
1310
そういえばsera機が見えない。大きく周回し基地への帰還ルートへと戻ると何故か前方に居るではないか。さては目標前に逃げ出したか?
hireは貴重な命を散らしてまで任務を遂行したと言うのに…飛行兵の風上にも置けんやつだ。
そのsera機は零戦とテンペストに終われていた。
GIRLS(パパ:零戦パイロット):「吶喊ーーーーーーーーー!(とっかん)」
後ろから襲い掛かる零戦に対して必死の射撃を行うsera機。
なんであろうと彼を見捨てるわけにはいかない。B-17が最も空対空能力を発揮するのは密集編隊を組んでいるときだ。
早急に彼のもとへ急行する。
が、間に合わなかった。零戦が長い尾を引いて落ちていく中、彼のB-17もまた飛散していた。
(Mayacyan機、前部銃座)
1315
もう一機のテンペストはその高速性を活かし、一気に高度を上げ、我がB-17の上空についた。
テンペストは急降下を仕掛けて来る。
こちらも黙っているわけには行かない。上部銃座より必死の反撃を行う。このテンペストさえ撃墜してしまえば後は何の脅威も無く大地を踏める…
決してB-17は貧弱ではない。多数の機銃座を有し、むやみに攻撃を仕掛ける戦闘機を撃退する能力さえある。
RS71(黒鳥:テンペストパイロット):「かなめ…今日の獲物はアイツだよ…一緒に食べようね。」
この間、何があったのか全く記憶に無い。どうやら撃墜され、脱出したらしい。気が付いたときは砂浜の上であった。
(撃墜され墜落しながらも撮影)
幸いわが国の前進基地まで近い。生きて帰る事を決意した。
後世に伝えなければならない。この戦争がどのような悲惨な物であったかを。
〜後年出版の「MASDF空戦禄」著まやらーより抜粋〜
おまけ
いつのまにか消えた飛燕パイロット:トクレロ氏曰く。
「そういや先攻しまーすとか言って先いってまっさきにおとされたんだっけ、確か相打ちだったと思うけど(笑)」
同じ事件に関して、テンペストパイロットの黒鳥氏曰く。
「あぁ、そういや飛燕落とした気がするな(笑)」
相打ちではなく、ヘッドオンでテンペストに落とされたそうです。
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