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ナマエ：政府開発援助 2005/06/22(水) 18:23 [MSIE6.0/Windows98]
- 初めまして，政府開発援助というものです。マクドネル・ダグラス（現ボーイング＝マクドネル・ダグラス）社製の戦闘機を愛してやまな
い男です。以後よろしくお願いいたします。
さて，今回｢飛行機のお話｣の最新号を拝読させていただきMiG-15とF-86との機体特性の違いについて考えたのですが，私が調べ
たところによりますと，ファゴットとセイバーを比較する上でまとめると，ぐりさんの書いたとおりに確かに速度性能や上昇性能，高高度
での飛行性等はファゴットのほうがすぐれていました。しかしセイバーは航続性がファゴットに比べて長く低高度や中高度での飛行性
能に優れ，特に旋回性はファゴットに比べてかなり優れていたようです。また，セイバーには耐Gスーツが標準装備されていたために，
ファゴットに対して少々無茶な機動を行ってもブラックアウトしにくい利点があったそうです。そしてぐりさんのおっしゃるとおり，破壊力
抜群の３７ミリ機関砲一門と２３ミリ機関砲二門のコンビネーションのファゴット。対して命中精度に優れる１２．７ミリ重機関銃六丁の
セイバー。これらを見るとぐりさんのおっしゃるとおり，対爆撃機用，迎撃用のファゴット，制空用のセイバーの違いって顕著に現れますね。
最後にちょっとした疑問なのですが，なぜセイバーはブローニングライト１２．７ミリ重機関銃をあえて装備していたんでしょうかね？この時
期海軍機では２０ミリ機関砲４門というスタイルが標準化されていましたし。海軍では第二次世界大戦末期から２０ミリ機関砲の装備化を
進めていまして，大戦末期時のF7FタイガーキャットやF8Fベアキャット，F4Uコルセアの後期型，朝鮮戦争時の海軍の主力であるF2Hバン
シーやF9Fパンサーも２０ミリ機関砲です。セイバーのレーダー射撃システムなら１２．７ミリでも２０ミリでもあまり命中精度に差はでないと
思うのですが。事実朝鮮戦争では１２．７ミリ重機関銃の打撃力不足で，セイバーがファゴットに手傷を負わせたものの取り逃がすという自
体がけっこうあったらしいですから。何ででしょうかね？
以上長文失礼しました。
- 2 ナマエ：Kawa 2005/06/22(水) 20:16 [MSIE6.0/WindowsXP]
- 私の憶測を含むところもある回答ですが、ご了承ください。
12.7mmと20mmに米空軍（陸軍）と海軍が分かれていった原因ですが、これは太平洋戦争における両軍の任務の違いから来ているのではないかと思います。
太平洋戦争後期になって、空母に搭載される米海軍戦闘機は対地攻撃や特攻機阻止が主任務になっていて、特に対地攻撃において20mmの威力は大きかったと思います。アメリカ軍の12.7mm弾には炸裂弾のようなものは用意されていませんでしたし、対地射撃では炸裂弾があれば破片効果なども得られます。12.7mmの威力不足を感じ取るようになったのは海軍の方が先だったわけです。
一方の陸軍航空隊はと言えば、20mmを搭載した戦闘機といえばP-38・P-61くらいです。一応イギリス輸出型としてP-51とP-39が搭載していたりしますが、あくまでこれはイギリス仕様、カウントするべきではないでしょう。一応欧州戦線では12.7mmでは戦車に止めがさせない、装甲列車に歯がたたないといった問題が浮かび上がっていますが、大きな問題としてはとりあがらなかったようです。対地ロケット中心に考えていたからではないかと思います。
さて、海軍の方は20mm中心に移行していましたが、空軍の方は30年〜40年代ごろに大口径機関砲搭載機開発が散々な結果で終わったという苦い経験もあってか、保守的な12.7mmを依然として使っていました。日本機相手なら12.7mmで十分な戦果を挙げられたのもその要因となっているのではないかと思います。余りに大きな戦果を挙げたために、1発1発は強力でも投射密度は三割減となってしまう大口径機関砲への移行は納得のいけるものではなかったかもしれません。
長くなりましたが、要するに想定していた任務と戦訓の差なのではないかと思います。対地攻撃を主において20mmに移行した米海軍、対戦闘機戦を主にして第二次世界大戦で実績のある12.7mmに留まった米空軍。
もちろん朝鮮戦争で1発や2発当っただけでは撃墜できない12.7mmは、ジェット機という高速度の戦闘では射撃機会が少なく大口径に移行しなければならないということがわかり、セイバーの後期生産型であるF-86Hになると新開発の20mm機関砲4連装になっています。
- 3 ナマエ：政府開発援助 2005/06/22(水) 21:17 [MSIE6.0/Windows98]
- >KAWAさん
ご丁寧な回答ありがとうございます。紙屑同然の装甲を持つ日本軍機などを落とすのと，一機でも命中すれば艦上が地獄絵図になる特攻を防ぐには確かに大口径砲が必要になりますね。確実に撃破する必要性が求められていますから。そういえば最近これに関連して，海軍艦艇に搭載されているCIWSにの２０ミリバルカンファランクスも対艦ミサイル相手には威力不足だという話を聞きますね。
改めて考えるとアメリカ空軍機で純粋な２０ミリ機関砲搭載機ってものすごく少ないですよね？他にはF-89スコーピオンやF-100スーパーセイバー，F-101ブードゥー，F-5タイガー�兇阿蕕い靴�２０ミリ機関砲搭載機ってないものですよね。スーパーセイバーやブードゥー以外のセンチュリーシリーズやベトナム戦争以後の機体はM61２０ミリバルカン砲か，ミサイルやロケット射撃のみという機体ですから。
ところで前述した時に書き忘れましたが，MIG15の初期型には射出座席が装備されていなかったそうです。どうも旧ソ連には人名軽視の風潮がありますね。パイロットほど育成にお金も時間もかかるものはないのに。新米パイロットに「当たらなければどうということはない！」と言い聞かせていたんでしょうか（笑）？まあ被弾しなくても飛行中に故障したらなす術がありませんが。こんな機体に乗りたくないのは私だけではないはずですよね。
- 4 ナマエ：ぐり 2005/06/23(木) 21:35 [Lunascape1.4.1/WindowsXP]
- 制空用の戦闘機の目的は相手を叩き落す事にあるのですが、究極の目的は「航空優勢の確保」に有ります。
必ずしも相手を撃墜しなくとも損害を与えるなど追い払う事ができれば、その目的は実現できるわけです。
F-86の時代を境に12.7mmが消え去っていったように威力不足も否めない欠点であったのでしょうが、ブローニング12.7mmの信頼性や実績が高く評価されF-86に搭載されていたのでしょう。
と、調べもせずに推論だけで物を言ってるので、ほかにも大きな理由があった事を否定するものではありません。
ところで、米国はついにF-35で20mmを捨てましたね。
M61を搭載しない米国製戦闘機(ハリアー除く)はF-15に25mmガトリングガンの固定武装を搭載した以来ではないでしょうか。
- 5 ナマエ：政府開発援助 2005/06/24(金) 15:21 [MSIE6.0/Windows98]
- >ぐりさん
ぐりさんのおっしゃるとおりですね。敵機を戦場上空から追い払えばそれで十分安全が確保されますね。ただパイロットは撃墜マークを刻めなくて悔しい思いをしそうですが（笑）。こういう話をすると，何かSEＡDミッションと話が近い気がしますね。結局のところ，対空陣地にHARMを恐れさせて何もできないようにしてしまえば良いですから。
たしかＦ−１５の試作２５ミリ機関砲は燃焼式薬莢（つまり薬莢が出ない）タイプになる予定みたいでしたね。以前本で読んだ気がします。結局不発や暴発等開発が難航して，その時点で（現在でもそうだと思いますが）最も信頼と実績を誇るM61A1２０ミリバルカン砲を搭載することに決まったみたいです。セイバーのブローニングライト１２．７ミリ機銃といい２０ミリバルカン砲といい信頼性と実績はどちらも一流でしたから。
- 6 ナマエ：ぱ。 2005/06/29(水) 06:03 [MSIE6.0/Windows2000]
- あんまり関係無い話ですが、第二次大戦中、
米軍パイロットはドイツや日本海軍が装備していた２０mm機銃を
「１２．７mmではあり得ない一撃必殺が可能であり、その破壊力が羨ましかった」
と言い、
逆にドイツや日本海軍のパイロットは、米軍の１２．７mmを
「高初速で命中率が高く、四連装や六連装で弾丸をばらまいてくる彼らが羨ましかった」
と言ってましたｗ
まぁ、向こうの水は何とやら....の典型ですねｗ
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