■2012年 ロシア空軍100周年エアショー モスクワ・ジュコフスキー飛行場

「ロシア空軍の100周年エアショーが8月に開催されるらしい。今年は凄いとか...」
春先にそんな噂を聞きつけ、行って参りましたモスクワ・ジュコフスキー飛行場。会場がどこになるのか情報が二転三転、そもそも一般公開されるのかも不明で、単身乗り込むのはちょっと不安があったため、2007年のモスクワ国際航空宇宙展 と同じく、個人旅行主義に反しますが(笑)某社のエアショーツアーを使うこととしました。
今回のエアショーでは普段のMAKSではフライトしない各爆撃機や戦闘機などが登場し、かつてのソ連で行われたツシノやドモデドボのエアショーさながらのイベントとなりました。また、展示は新型機や性能向上型が中心に展示されており、ロシア空軍が一新されつつある様子が分かります。
逆光+すこしガスってるせいでクリアでない写真が多いのですが、ロシア空軍の100年をお楽しみください。

■飛行展示」

100周年エアショーはもう、凄い!ひたすら凄い!午前11時から後7時までフライトしっぱなし!なんとプログラムは1分単位!(笑)
ロシアの100年が8時間に凝縮されており休む暇がなくて本当死にそうになりました。
↑の一番右のものが空軍旗なのですが、なんか旭日旗に似たデザインですよね。


さて、エアショー一番手はSu-25の6機による三色旗。ロシア国旗を空中に描きます。カラースモークいいですなあ。
Su-25の飛行シーンは初めて。嬉しい(´Д`*)


凄い編隊がきました。Su-27、Su-25、MiG-29の「100」の文字の大編隊によるフライバイです。
ロシア空軍100周年の定義は、エアショーが行われたちょうど100年前の1912年8月12日に、帝国戦争省が海軍航空隊を編成したことに由来します。


FMV O1Tummelisa。トゥンメリサ?この飛行機は知らなかったのですが、スウェーデンで制作された戦間期世代の練習機のようです。
ちょうど大戦直後くらいに就役して大戦直前に退役。単座?


フォッカーDr.1 こちらは有名なドイツ製戦闘機ですね。何度も見ました。
ロシア人は凄くノリがよくて、ただループしただけでみんなうわぁあ!って感じで、慣れてるわっちまで楽しくなれます(^ω^*)


トゥンメリサ?とフォッカーDr.1によるドッグファイト。さすが複葉(三葉)機だけあって、どちらも軽快にクルンクルンまわります。


I-15bis 最強の複葉戦闘機I-15bisの複座型登場です。ノモンハンや日中戦争でも使用されましたから、日本人にもなじみ深い飛行機ですね。
しかし小さい...レンズの望遠が圧倒的に足りてない(^^;


Yak-11 第二次大戦後に生産された初等練習機です。T-34メンターみたいなものですね。
おっと、この国でT-34というとメンターじゃない方のイメージが強いですね。
というか軍オタでT-34と聞いて、真っ先にメンターの方を思い浮かべちゃうのは私みたいな飛行機に偏重した人だけかな。


Yak-9UM さて、第二次世界大戦世代の戦闘機です。ロシアでは第二次世界大戦を「大祖国戦争」と呼んでいます。
これは新造レプリカ機で、大祖国戦争の主力戦闘機のうちの一機だったYak-9Uを原形としていますが、オリジナルとはエンジンが異なっています。


ハリケーンMk.2 英空軍塗装ですね。ソビエトにも多数のハリケーンが引き渡されており活躍しました。


PBYカタリナ カタリーニャカタリーニャというアナウンスが可愛かった(笑) 
対潜哨戒に洋上救難に活躍した名飛行艇ですが、見てのとおり米軍の塗装です。ロシアでの運用は行われていません。


T-6 テキサン アメリカの練習機でアメリカ塗装です。ソ連とは関係のない機体が続きます。


B-25ミッチェル B-25は生産数のうちの可なりの割合がソビエトに引き渡されており、大祖国戦争で活躍しています。
アナウンスではドゥーリットルがどうの、東京がどうのと、B-25が飛行する際のお決まり文句が飛び交います。ロシア語分からなくてもだいたい何言ってるのか分かります。


P-51Dマスタング こいつはもう定番ですね。どのエアショーにいっても必ず1機はいます。ソビエトでの運用は行われていません。


F4Uコルセア 第二次世界大戦機飛びまくりです。米海軍機。大祖国戦争では使用されていません。
日本軍機の撃墜マークが付いていました(^^;


MiG-3 最後の戦闘機となりました。MiG-3です。胴体側面にはザ・ロディヌ(祖国のために)と書かれてます。
ソビエトの大戦機や戦車などにはよく書かれてます。


C-47B さて、大祖国戦争世代も最後となりました。アメリカで生産、カナダ空軍で運用、いまはスウェーデンの民間団体で飛行状態が保たれている機だそうで。


ブレリオXI 一気に時代が遡って第一次世界大戦前の傑作機。スロットルが無いので降下時にはパパパパンというエンジン音が停止します。動きもとても軽快で面白いです。


Su-35S さあ現代ジェット戦闘機の出番!真っ先にロシアの次世代主力機Su-35Sが登場です!ハァハァハァ(´Д`*)


なんじゃこりゃああああああああああああああ!!
Su-35さん、もう意味わからない。写真と私の乏しいボキャブラリーでは説明不可能。Su-35の凄さを体感するには実際目で見るしかありません。写真だと1%、動画でも10%程度しか伝わりません。もう、コブラ機動とかそう言うレベルじゃないんです。ずっと失速しっぱなしでもきちんと飛行制御されているし、スラストベクター恐るべし。ロシアの技術力の高さを現代戦闘機の初っぱなから見せつけられました。背筋が凍りつきそうです。


Su-35はミッションシステムも非常に優れているのですが、それはおいておくにしてもこれぞまさに次世代の戦闘機です。
美しい姿に抜群の運動性。ホレボレしてしまいます。やっぱり戦闘機はこうでなくちゃ。


バルチック・ビーズ 民間のアクロバットチームです。L-39の5機編成。本拠地はラトビアにあるようです。
なかなか面白い飛行をみせてくれました。


Mi-2。なんか可愛いヘリコプターですよね。(^o^)


ベルクートィ アクロチーム2組目です。Mi-28ヘリコプター6機による編隊アクロ。重々しいMi-28が6機でフライトする姿は大迫力です。


Tu-22M3 うっほー、大型爆撃機の3機編隊なんて見たことがない!ヾ(〃^∇^)ノ


Tu-95MS ベアばんざーい∩(´∀`)∩


Tu-160 (*゚ω゚*)


フレッチェトリコローリ〜♪ イタリア空軍。でもなぜか9機だけでした。フル編成でないのにそれを感じさせない凄さはさすがです。
気付いた人はどれだけいたでしょう。


An-26 シリアルがRF-93999ってなんか良い番号ですねっ☆


An-140 ターボプロップ旅客機。空軍の要人輸送機です。


An-12 ロシア(ウクライナ)のC-130。


An-22 やー、これ見たかったんですよね!世界最大のターボプロップ輸送機です。プロペラ機なのに最大離陸重量250トンの化け物。
胴体のバルジのなんと巨大なこと。


An-124 魂のルスラン♪ 軍用輸送機としては世界最大! 空港に鎮座しているところは見たことがあるのですが、飛んでる姿ははじめて(*^_^*)


ラファール さて、ここでフランス空軍が登場。 低速はSu-35に及ばないのでスピード担当(笑


Tu-134UBL 機首部がカッコイイですねえ。爆撃機の訓練用機なので、たぶんTu-22Mと同じレーダーを搭載しているのかと思います。


Il-76 3機で飛来してきました。さすが世界最大の国家ですね。輸送機だけでも半端ありません。


Il-86VKP おお、これは...!ロシアの国家指揮統制機です。空中給油装置があるんですね。


A-50 ロシア版AWACSも登場!もう大サービスです。


レッドアローズ、英空軍のチーム登場です。残念ながら6機での展示となりました(フル編成は9機)6機でも凄いから笑ってしまいます。


Ka-52 のデモフライト。Mi-28よりもさらに大きな巨体ですから、やはり動きも「それなり」です。
攻撃ヘリは機動性があまり重要視されないことが多いので、それが問題というわけではもちろんありません。


Yak-141 4機によるフライバイ。もう量産が進んでるんですね。


Su-24 4機編隊のパス。これも近代改修型のSu-24M2。ここから大型戦闘機が続きます。


MiG-31 4機編隊パス。やはり近代改修型MiG-31BM。



Su-34 ずっとダラダラと開発が長引いてたSu-34が編隊飛行しているシーンは感慨深いものがあります。



MiG-15UB 複座型(見えないけど)の機動飛行です。これもロシアの歴史的名機ですね。


Mi-26、Mi-8 x 4、Mi-35 x 2、ANSAT x 2 (´∀`)


MiG-29 4機編隊...おや、ピッチアップブレイクした?


とおもったら、おおお、2vs2のドッグファイト!格好いい!


ビアロチェルボリイスクリ。 ポーランド空軍のアクロチーム。6機のイスクラによる編隊アクロ。なぜか1機少ない。


Su-34 x 4、Su-27SM x 4 、MiG-29SMT x 2による10きの大デルタ編隊。MiG-29は小さくてかわいいの(´ω`*)


パスしたあとに2機のMiG-29が離脱し、編隊アクロを見せてくれました。ペアの編隊でフレアを投下。



うんん?んんのおおおおおおおおおおおお!凄い、アクロバットチームみたい!!驚きました。


常設チームでもない普通のMiG-29が、大変質の高いアクロで魅せてくれました。感激。ぱちぱち。


なんか正面からSu-34来た、ブレイクしそう!さあ次はSu-34による機動飛行!
ってええええええええ!!


いやー、ビックリしましたね。こいつは確かにフランカーの眷属です。紛れもなく戦闘機の動きをしています。こいつでも十分に空中戦はできそうです。
カナードの作動角が凄い。


これまでSu-34のフライトは対艦ミサイル3発搭載でのフライトとかだったのですが、はじめて何持つんでない(パイロンついてるけど)状態の機動を見ました。もちろんSu-35などと比べては劣りますが、普通に第4世代戦闘機並みです。


ナイフエッジパス!ひでぶっ!!! こんな大型機でナイフエッジ!!!!!
今日まさにこの日までSu-34のことをナメてました。正直すまんかった。


ソーコルィ・ロッシィ(ファルコンズオブロシア)のアクロ。このチームは2対2の空中戦を見せてくれるという、他のチームにはない面白い特徴をもっています。


フランカーの貴重な産卵シーン。もしくは納豆。凄いね。キレイだね。


機体がすべて近代改修型Su-27SMに更新されています。


ミッドナイトホークス こちらはフィンランド空軍のアクロチームです。見事な密集編隊が見物のチームでした。


T-50 PAK-FA 真打ち登場!スホーイの新型ステルス。これを見るためにモスクワまでトンできたのだよ!


次いでMiG-29もフライト。


T-50 PAK-FAは面白い形状をしていますね。MiG-29よりもちょっと大きい程度で、Su-27なんかと比べると小さいのですが、
この主翼面積の大きさは異常とも言えます。大推力の推力偏向エンジンを持っていますし、きっとSu-35以上の機動ができるんでしょうね。
残念ながら本気の機動は見せてくれませんでしたが、将来がとても楽しみな戦闘機です。


PAK-FA みなさん好きですか? なんかエンジンと尾翼が離れすぎててどうもあまりカッコわ(このコメントは粛清されました



Yak-141の機動飛行。戦闘機並みの凄いペイロードです。これで機動飛行できてしまうのですから、最近の練習機は素晴らしい。


さて、長かったエアショーも終わりに近づいて参りました。
エアショーのトリを務めるルスキイェ・ビチャジ(ロシアンナイツ)とストリージィ(スウィフツ)です。


今日これで8,9回目のアクロチームです。信じられますか?一日でブルーインパルスが9回フライトするレベルですよ?(苦笑
ストリージイの塗装のツバメ、可愛いですよね(*^_^*)


逆光逆光逆光(つд`;) でも、それもまた...いいかも!


ルスキイェ・ビチャジは編隊飛行がいいんですよねえ。


ひゃっほうぅ(゜∀゜) 良い写真。


午後7時前。太陽もだいぶ傾いてきました。夕日にてらされるフランカーも素敵ですね。


ルスキイェ・ビチャジ最大の見せ場。上向きのブレイクからフレアの投下。すんばらしい。


ふたたびSu-25によってロシア国旗が描かれます。


さあ、本当に最後となりました。U-2によるフライトです。空軍旗をたのびかせながらフライパスしました。
あー、楽しかった。この8時間で一体何機が飛んだのでしょうか。数える気にもなれません。

■地上展示


A-50メインステイ。最初にお出迎えしてくれました。メインステイさん見るのははじめてです(´д`*)


Tu-95クマー (´ ・(ェ)・` )


Tu-160 相変わらず美しいお姿。


Yak-130 ロシアの主力ジェット練習機となる予定。


Su-27SM3 近代改修型のSu-27。今現役のフランカーじゃ空戦性能最強。たぶん。カッコイイー!


Su-35S フランカーの再設計型。見た目は同じだけど機体構造から一新された違う戦闘機です。機動性・アビオニクスともにSu-27SM3以上の性能。近い将来のロシア空軍を支える戦闘機となる予定です。


こちらはSu-30SM。マルチロールファイター型の複座機。Su-30M系列はこれまで輸出専用でロシア空軍に採用されてきませんでしたが、ようやく調達が始まっています。


Su-34 戦闘爆撃機。90年ころから試作機が飛んでいるのに、経済的な事情によってなかなか開発が終らなかったSu-34ですが、最近になって数が増えつつあります。本機は量産型です。


Su-25T シュトルモビークの近代改修型。精密誘導兵器の運用能力などが加えられ、より一層強力に。


MiG-29SMT。背部が大きく盛り上がっていますが燃料タンク増設型ですね。


さて、私の大好きなMiG-31BMさん。レーダー換装などによって性能向上したタイプ。


MiG-3 第二次世界大戦の高々度迎撃機。


U-2 どこにでも有る。


ニューポール17。 唯一フランス製の戦闘機。機銃同調装置採用型です。
ロシアでも運用されており、本機にもロシア帝国のラウンデルが描かれています。


Mi-8 AMTSh えーっと、Mi-8ヒップの強襲輸送ヘリコプター型ですって。


Mi-26 実用化された世界最大のヘリ。MH-53よりもデカイ化け物。空軍型を見るのははじめてでした。


Mi-35いつもの迫力ある悪役っぷりは異常。


カザンのANSATヘリコプター。まだ数が少ない新型ヘリです。


Mi-28Nはハインドの後継となる主力攻撃ヘリですが、小さくなったもののその迫力は健在ですねえ。


Ka-52 なんか微妙にいらない子になりつつあるアリガートル。


MiG-25RU ブサな子キター(゚∀゚)


Su-15TM なんかいっぱい転がってるんです。


Tu-16バジャーさんですが、胴体下に何か飛び出てます。乗り込むためのハッチかな?かな?


Tu-134UBL。戦闘機のアビオニクステストベッドかと思ってましたが、爆撃機クルーの訓練機だそうで。


ブラン。ロシアのスペースシャトル。まさか有るとは思わず、ちょっと嬉しいサプライズでした。
途中で開発放棄されてしまいましたが、アメリカのスペースシャトルがいまいちだったことからも、やめて正解だったようです。


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