2005年 ネリス基地ラスベガスエアショー Aviation
Nation2005
2004年、サンダーバーズパシフィックツアー。10年ぶりの同飛行隊来日も天候に恵まれずで全ての公式フライトが全中止となった屈辱からおよそ1年。ついに海外エアショー行きを実現しました。それもサンダーバーズの本拠地であるラスベガスの北端に位置するネリス空軍基地です。
ネリス空軍基地を軽く紹介すると、分かりやすく言えばこの基地は日本の新田原。
F-15C/F-15E,F-16を始めとした殆ど全ての作戦機を保有したウエポンズスクールが開設され、日夜練度の向上を目的とした訓練が行われています。その中でも特に有名なのが、世界最大の演習“レッドフラッグ”でしょう。世界中の米国の部隊とその同盟国空軍パイロットや整備士などに実戦に限りなく近い戦闘を経験させ、万一の戦時にベテラン級の能力を発揮させる事を目的とします。
ネリス基地に所属するアグレッサー部隊は仮想敵機となるF-16はもとより、MiG戦闘機、最新鋭のソ連製地対空ミサイルまで保有し、名実ともに世界最大の規模を誇ると断言できます。
また、前述のように米空軍の演技飛行隊サンダーバーズの本拠地にもなっております。
ラスベガスは砂漠に無から造られた人工都市であり、Aviation
Nation2005が行われた11月の平均降水量は僅か10mm程度と、殆ど雨は降らないに等しい環境であり、まさにエアショーを行うにはうってつけの気候をもちます。
そして事実、11月13日及び14日の2日間行われたエアショーは文句無しの晴天で行われ、特に初日は朝から夕方まで一切雲の掛からない見事な日本晴れでした。 …いや、ここは日本ではありませんでしたね(´ー`)
さて、展示のボリュームも凄まじく、初の海外エアショーということであまりに興奮して実に3000枚近い写真を撮影してしまいました(笑)
1ページにまとめるには余りにも大きすぎますので、今回は幾つかに分けて順次追加という形で進めていきたいと思います。
■飛行展示編午前の部■飛行展示編午後の部■サンダーバーズ編
■地上展示機編
ネリスの地上展示機種は日本のそれとは桁違いの機種が置かれています。
そのくせ飛行展示スケジュールはビッシリと朝から夕方まで詰まっておりはっきり言ってゆっくり見ているヒマがありません!
また、スケジュールでは9時にF-16の飛行で開始になっているのに、8時には既にアクロ機が飛行を開始しているのです。
ここで紹介する地上展示機は、大多数ですが全てではありません。贅沢な悩みですが飛行展示と地上展示どっち見ればイイの!?
写真の数も膨大になってしまうので、今回F-16やA-10など日本でもいつでも見られるような機は、いくつかカットさせていただいております。
まずはジェット機編です。
・F-15Eストライクイーグル
ついに一番好きな戦闘機、F-15Eストライクイーグルを拝む事ができました!
GBU-31 2000ポンドJDAM(右翼下)、GBU-24 2000ポンドLGB(胴体・左右CFT)、
そして注目すべきは左翼下には最新型のGBU-39
250ポンドSDBを4発装備しています!
そして攻撃機だと思って接近するアホウを叩き落すAIM-9にAIM-120をそれぞれ二発ずつ装備し、
まさにストライクイーグルを象徴するフル武装に感激です。
そしてこちらは別のストライクイーグル。こっちは何の柵もなく触り放題でした。但しLANTIRNがありません。
ノーズギア格納部の自己診断装置まで触り放題!いや、流石BITに触ったら怒られるでしょう(笑)
こちらは普通のイーグル。
AIM-9*2,AIM-7*2,AIM-120*4を装備しています。フル武装でも3種類織り交ぜたこういう装備の仕方は珍しいのではないでしょうか?
・T-38タロン
F-5FタイガーIIなのか迷いましたが、どうやらタロンのようです。
ご存知T-37タロンはF-5Fを原型に設計された、日本で言う所の高等練習機に当たる超音速の練習機です。
かなり小柄で、T-2よりもまた一回り小さい感じで、いかにF-5が発展途上国でも用意に扱えたかが実感する事が出来ます。
・A-4スカイホーク
背中の出っ張りが意外に似合うA-4スカイホークです。
日本では辛うじて岩国や厚木基地のゲートキーパーで見ることが出来る同機ですが、こちらは正真正銘のフライアブル機。
デルタ翼と突き出しっぱなしの空中給油ドローグがイイですねぇ。
ここからはステルス機になります。
・F/A-22ラプター
実戦で100勝無敗の伝説的記録を持つF-15を、訓練で100勝無敗で下した戦闘機であり、
世界中が認める名実ともに世界最強のステルス戦闘機F/A-22ラプターです!
そのラプターを見ることが出来て感激です。
が、見た感じのっぺりしすぎてあまり感動がありません。なんかサッパリし過ぎてそれ自体が面白いのですが、
逆を言えば全く面白みが無いというか…サイドワインダーのランチャーの展示はいいのですがねぇ(´ー`)
エンジンノズルが両方に開いていますね。
・F-35JSF
うは、横から見るとずんどうのおデブで少しもカッコよくありません。こんな戦闘機ばかりになるかと思うとお先真っ暗です(つд`)
F-35Bのエンジンとリフトファンが並べて展示されておりました。
ただし、現在F-35の実機はありませんから勿論両方ともモックアップです。
・F-117ナイトホーク
湾岸戦争で無敵を誇った元祖ステルス機! 米の終末的外見の先陣を切っただけあって酷い外見です。
それはそれで味があるのですが、全てステルス機になったら戦闘機ファンが激減してしまいそうです。
このF-117は真っ黒の平面板が複雑に太陽光を反射して露出アンダーとオーバーが入り混じって、写真家泣かせの飛行機です。
ステルス機はまだまだ続きます。そしてこれ以降より一層グロテスクになりますので要注意(!?)
・RQ-1/MQ-1プレデター
唖然。
余りの不気味さに唖然として沢山写真とりまくってしまいました。ご存知、世界初の実用「戦闘機」となったプレデターです。
本任務は24時間にも渡る滞空が可能な偵察機ですが、音も無く空からアフガンやイラクでVIPを暗殺しまくったのはご存知の通りです。
本機もヘルファイアを二発装備しています。
ちなみにプレデター1機の調達費用は地上のオペレーションも含め4000万ドル超。そのコストはF-16を遥かに凌駕しております。
・X-45
グロテスク機はまだまだ続きます。
まだ見ることのできるレベルのF-35に対し、こちらは絶望してしそうな無人ステルス戦闘機X-45。
プレデターはあくまでも偵察機。こちらは最初から攻撃を主任務としており、F-117同等の任務を負う予定です。
X-45は未来の戦闘機ではありません。既に初飛行を終え、JDAM投下試験も成功裏に終了しており、
同種の戦闘機が実用レベルに達するのは既に目の前の出来事に過ぎません。
・X-47
前出のX-45とそっくりの同機ですが、こちらはX-45と同等の能力を持った空母艦載機で、写真のように翼を折りたたむ事ができます。
どちらも人を乗せる空間を必要とせず、既存機に比べ高いステルス性を持ちます。
生存性は、そのステルス性と、そして何より人が乗らないため、究極とも言えるでしょう。
戦闘機マニア絶望の時代はもうすぐです…。
さて、古き良き時代の飛行機でお口直しして心機一転しましょう。
・キャメル
複葉機はよく分からないのですが、これソッピースキャメルですよね?(^^;
・ドルニエDo-24
ナチスドイツの水上飛行艇。救難任務を負う一方、ルフトハンザの旅客機としても70年代まで活躍しました。
T-6テキサン
テキサンなんて日本にも腐るほどあるので、やはりネリスにも腐るほどありました(笑)
でも、こちらは全て稼動機です。このT-6は後部機銃がついているのですが、どういうタイプなのでしょうか。
しかし、ジェラルミンの素地剥き出しの銀翼は素晴らしい…。
T-33 Tバード
Tバードなんて日本にも腐るほどあるので、やはりネリスにも腐るほどありました(笑)
でも、こちらは全て稼動機です。しかし、ジェラルミンの素地剥き出しの銀翼は素晴らしい…。
あれ、テキサンと同じコメントに。
・B-25 ミッチェル
日本では白黒写真でしか見ることのウォーバーズが目の前にあります!なんとも素晴らしい話しです。
機種部に6門のブローニング.50機関銃という戦闘機並みの前方機銃に大迫力です。
ちなみにこの機の塗装はドゥーリットル爆撃隊のものだそうです。機種部に日本海軍旗がマーキングされていますね…(^^;
・A-1スカイレーダー
A-1スカイレーダーは私の一番好きなレシプロ戦闘機(攻撃機)です!
左のサイドバイサイド複座機は空軍型A-1H。右が艦載機のA-1Jです。500ポンド爆弾に多数のロケット弾。この重武装がたまりません。
よくスカイレーダーは日本の流星改と比較されますが、2800馬力のエンジンが生み出すペイロードは上記B-25を超えてしまうのですから驚きです。
ちなみにどちらも核爆弾すら搭載可能です(^^;
ベトナムではMiG-17を撃墜した事でも有名。やっぱり、スカイレーダーはいいなぁ。
・OV-10ブロンコ
ベトナムから湾岸戦争まで米軍で活躍した観測機。ブロンコも私の好きな飛行機の一つです。無骨なスタイルが大きな魅力です。
また、南米や東南アジアの発展途上国では対ゲリラのいわゆるCOIN機としていまだ現役です。
ちなみにこのブロンコは瞬間的に6Gを越える旋回できます。むろん推力が乏しいので一瞬で速度は半減してしまいますが。
・O-1バードドッグ
普通のセスナに兵装を追加。本当に普通のセスナですが、流石にヨークではなくスティックへ操縦装置が取り替えられております。
また、視界改善のため上部がすけすけになっていますね。
この機もOV-10と同じ観測機です。ベトナムではFAC機として活躍しました。
ちなみに陸自でもL-19そよかぜという名前で富士重工ライセンス生産機を運用していました。
それと同じ任務の観測機。プッシャー式のプロペラが珍しいO-2スカイマスターも展示されていたのですが、写真が見つかりません!
沢山珍しい展示機がありすぎて撮りのがしてしまったようです。二度と見れなかったらどうしよう(つд`)
・AT-37ドラゴンフライ
再びベトナムで活躍した観測機。こちらもCOIN機として各国で現役です。
プレイステーションのフライトゲーム、「パイロットになろう!」のジェットコースでお世話になった人もおられるのでは?
・AC-47スプーキー
ダグラスC-47/DC-3を改造したガンシップ機です。左舷に2門の7.7mmミニガンを装備し地上へ銃弾の雨を降らせる恐るべきオバケ。
ガンシップツアー2ドルって…高いと見るか安いと見るか。なんとなく左側の写真はハタ坊を思い出します(^^;
以上でベトナムシリーズは終了です。これらの機は後ほどベトナムミッション再現でフライトデモを実施してくれました。
ベトナムシリーズに続き、ここからは東側シリーズです。
・MiG-17フレスコ
MiGですよMiG!日本では絶対に見ることのできないソビエト機です!
MiG-17は分かりやすく言えばアフターバーナーエンジンを搭載したMiG-15。
亜音速戦闘機ながらAA-2アトールも搭載可能で、F-4ファントムをも撃墜しています。
しかし、このMiG-17国籍マークが北朝鮮なんですが(爆笑)
・9k33オサ (SA-8ゲッコー)
射程10km程度のソビエト製地対空ミサイル。
なんだかわからないけど、前の化け物はいったい…(笑)
・RPG-7
ブラックシーの戦いではヘリコプターを撃墜し、イラク戦争では背後からM1をぶっ壊し、北朝鮮の工作船にも搭載されていた超有名対戦車ロケットですね。ちなみに触り放題担ぎ放題でした。
・37mm対空機関砲
ソビエト製のAAAです。フライトシミュレーターをよくやる人にとってはにっくき37mm砲!
乗り込んでハンドルをグルグルまわすと方位や射角を自由にできます(笑)
・スカッドミサイル
えーー!!何でこんなのがあるの!!?大爆笑してしまいました。
ちなみに、このミサイル発射態勢にする事ができます。可動状態とは…アメリカは本当なんでもアリなんですねぇ。
一番右の写真は今回のネリス地上展示の中でもお気に入り。
・F-16アグレッサー
一瞬F-2に見えてしまいますが、F-16アグレッサー機です。東側エリアに展示されていました。
続いて珍しい機と行きましょう。
・トーネード
最初にも書いたとおり、ネリスは同盟国空軍の戦闘機が多数集まる世界最大の演習基地です。
旅行前に、もしかしたらトーネードとか居たりしてね。なんて冗談を言っていたら本当にトーネードが居ました!(笑)
詳しい型式は分かりませんが、どうやら英国のトーネードのようです。
・ハリアー
こちらも英ハリアーです。珍しい英国の戦闘機が見ることができて大満足!
できればハリアーのデモンストレーションも英ハリアーがやってほしかったですねぇ。
・F-21ライオン
でました、超マイナー機F-21ライオン!
デルタ翼にカナード…私は一瞬ミラージュかと思ってしまいました。それもそのはず、F-21ライオンとは
イスラエル航空工業(IAI)がミラージュをパクったクフィルC2のアメリカ輸入バージョンなのです。
まさかクフィルが見られるとは思っても居ませんでした。もちろんフライアブル機ですよ。
HH-60ペイブホーク
H-60系でもペイブホークは余り日本でも見かけることができません。
飛び出た給油装置が凄いですね。犬もカワイイ。
・B-767
えーーFedExって民間の会社なのに貨物機をエアショーに出展するなんて!F/A-22を含む、このネリスに存在する全ての機を抜いて
ぶっちぎりで一番高価な航空機ですよ。日本では到底考えられません。せいぜい小松などで離着陸する機をアナウンスする程度なのに。
・C-141スターリフター
ごく稀に横田にも飛来してくるC-141。C-5やC-17が主力として君臨しているため
現在では殆ど二線級です。たぶん稼動機で見るのは今回で最後かもしれません。
おまけ
MiG-29って!!!(笑)
開門時にバスでネリス基地内部に入って最初に見た戦闘機がMiG-29でした。
残念ながら展示品ではないので遠巻きにしか見ることが出来ませんでしたが、まさかMiG-29がねぇ…アメリカは本当なんでもアリ!
見てのとおり超朽ち果てたオンボロ鉄屑状態です。
アメリカのこういうセンスは嫌いじゃないです(笑)
何気に後ろのスネークアイなんて珍しいですよ。
HU-16アルバトロス飛行艇
現在海自で活躍中のUS-1はこのアルバトロスと二式飛行艇の血を繋ぐサラブレッドです。
■飛行展示編午前の部■飛行展示編午後の部■サンダーバーズ編
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