●PL-5A(霹靂5甲)
セミアクティブレーダー誘導型、試作段階で終わる。
●PL-5B(霹靂5乙)
赤外線誘導型。
●PL-5C(霹靂5?)
PL-5Bの探知能力・運動性・オフボアサイト能力を向上した型。
●PL-5E(霹靂5?)
AIM-9Lサイドワインダーに似たダブルデルタのカナードを採用し40°のオフボアサイト能力を持った型、更に誘導にはオースアスペクト赤外線誘導方式を新たに採用している。
霹靂5 (PL-5)
【霹靂5- ピーリー・ウー】 ※日本語読みで「へきれき」雷鳴の意。
(PL-5E)
霹靂5(又はPL-5・PiLi-5)は、それまで現役であった霹靂2(AA-2アトール)の後継として開発された国産の短射程空対空ミサイルである。「霹靂2の後継」と言う事もあり、全体的な形は霹靂2に似ている。タイプは現在の所全部で4種類存在し、世代の方も1〜4世代とバリエーションが多い。
【PL-5A】(第1世代短射程空対空ミサイル)
セミアクティブ誘導型のPL-5Aは、赤外線誘導型のPL-5Bと同時期に1966年4月から洛陽光電気技術発展センターで開発が開始された。セミアクティブ誘導/赤外線誘導型を採用したのは、当時ソ連が行っていた「一種類のミサイルにセミアクティブ誘導型と赤外線誘導型の2種類を作る」(ソ連の場合殆どは中射程空対空ミサイルに限られる)と言う方式の影響を受けたと言われている。ちなみにこの頃は、同じセミアクティブ誘導の中射程空対空ミサイルPL-4A(霹靂5甲)も開発を開始している。しかし、当時中国にとってセミアクティブ誘導は未知の領域であり、さらに文化大革命による停滞で開発は大きく遅れた。そんな厳しい状況の中1971年に初めて航空機に搭載して飛行、1981年4月には初の試射に成功した(1982年3月まで実施)。最終的には詳しい理由が公に出ないままPL-5Aは1983年に開発が中止されている(推測…短射程空対空ミサイルで赤外線誘導方式が急激に進化し近接格闘でのセミアクティブ誘導方式が非常に不利になった事・外来技術/兵器を大量に導入した事により必要性が無くなった事等)。
PL-5B(第2世代短射程空対空ミサイル)
セミアクティブ誘導型のPL-5Aとは違い、赤外線誘導型のPL-5Bは前作PL-2が同じ誘導方式だったので開発は順調に続いた。開発はPL-5Aと同じ1966年4月からで、主にシーカーの改良による誘導能力の強化とブースターの改良による射程の延長を重点に置かれていた。しかし、こちらも文化大革命による影響を受け1967年に初の試射を行って以来ずっと開発が停滞していた。それでも1982年3月に試射を終了するまで数十回の試射を行っており、量産化するに値する十分なデータが取れた。試射が終了してから4年後の1986年9月に中国政府から量産化が正式に採用され年末から量産化が開始された。量産後は中国空軍/海軍に実勢配備され海外にも輸出されている。PL-5Bは2005年現在でも少数が中国空軍/海軍で運用されているという情報もあり、もしそれが本当なら中国の空対空ミサイルの中では一番長く使われている空対空ミサイルであると言える。
PL-5は先程話した通り誘導能力と射程を重視しているが、世界の同じに世代の短射程空対空ミサイルに比べると大きく遅れをとっている。特に誘導能力については1980年代でもオールアスペクト赤外線誘導では無く、ノーマルな赤外線誘導で前方目標に対しては左右16゜の目標までしか追尾出来ないPL-5Bは近接戦闘においては非常に不利だと言える。さらに誘導能力はPL-2Bより僅かに良いだけと言う。他の性能として、信管は近接信管で10m以内で爆発し目標を撃墜する事が出来る。全体的な性能としてはアメリカのAIM-9Hサイドワインダーに相当すると言う。
PL-5C(第2〜3世代短射程空対空ミサイル)
PL-5Bの能力向上型として開発されたモデルだが、開発の過程等の事が全く分かってなくPL-5シリーズの中で一番不明な点が多い。PL-5Bに比べ探知性・誘導性・オフボアサイト能力が向上し、現在も中国空軍/海軍で使用されている(中国空軍/海軍では一番多く量産化していると言う不確定情報もある)。なお、性能はAIM-9H〜AIM-9Lサイドワインダーの中間だと言う。
PL-5E(第3〜4世代短射程空対空ミサイル)
PL-5Eは現在PL-5シリーズの中でも最新のモデルであり、同時に中国軍の短射程空対空ミサイルの中でも最新の領域に入る。外見はAIM-9L/Mサイドワインダーと非常に良く似ているが、最大G限界ではAIM-9Lは35Gのに対しPL-5Eは40Gと高くなっている。しかし、これはあくまでカタログスペックでの表示のため実際の所は良く分かっていない。誘導面ではオールアスペクト赤外線誘導を採用し、前方目標に対しては左右40°の目標に対して追尾が可能になった。(因みにAIM-9Mは左右28°マジック2は左右35°MICA-IRは左右45°)現在は量産段階に入っていると思われる。
名称 | PL-5A | PL-5B | PL-5C | PL-5E |
製造 | 洛陽光電気技術発展センター | |||
主任務 | 短射程空対空ミサイル | |||
全長 | 3.135m | 3.128m | 3.128m | 2.896m |
翼幅 | 65.7cm | 65.7cm | 65.7cm | 61.7cm |
直径 | -- | 12.7cm | 12.7cm | 12.7cm |
重量 | 150kg | 148kg | 148kg | 83kg |
弾頭 | -- | 6KgHE | 6KgHE | 6KgHE |
最大速度 | M2.2 | M2.2 | M2.2 | M2.2 |
射程 | 1.3〜10km | 1.3〜16km | 1.3〜16km | 21km |
G限界 | 21G | 21G | 30G | 40G |
誘導方式 | セミアクティブレーダー誘導 | 赤外線誘導 | 赤外線誘導 | オールアスペクト赤外線誘導 |
エンジン | 固体推進薬 | |||
実戦配備 | なし | 1986年 | 1990年以降 | 1990年以降 |
●PL-5A(霹靂5甲)
セミアクティブレーダー誘導型、試作段階で終わる。
●PL-5B(霹靂5乙)
赤外線誘導型。
●PL-5C(霹靂5?)
PL-5Bの探知能力・運動性・オフボアサイト能力を向上した型。
●PL-5E(霹靂5?)
AIM-9Lサイドワインダーに似たダブルデルタのカナードを採用し40°のオフボアサイト能力を持った型、更に誘導にはオースアスペクト赤外線誘導方式を新たに採用している。
●J-5/殲撃5
●J-6/殲撃6
●J-7/殲撃7
●J-7M/殲撃7M
●J-8II/殲撃8II
●J-9(FC-1)/殲撃9(超7)
●JH-7/殲轟7
●Q-5/強撃5
●Q-5M/強撃5M
●中国
●パキスタン
●イラン
●ミャンマー
●エジプト
●ジンバブエ
●タンザニア
●アルバニア