【社説・コラム】
薬莢リサイクルポスターの波紋

今回問題となったポスター。
大量に発砲された機銃の薬莢を一発たりとも見逃さず回収する
苛烈な薬莢探しに一部の自衛官から不満の声が噴出している。
だが、自分らの使命の高さに気づくべきであろう。
多くの陸上自衛官は放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張している。しかしちょっと待って欲しい。放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張するには早計に過ぎないか。

一般隊員の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。

例えば防衛庁の有識者からは薬莢のポイ捨ては薬莢の再生による銃犯罪に直結するだけではなく、深刻な環境汚染にも繋がると主張するような声もある。

このような声に自衛官は謙虚に耳を傾けるべきではないか▲

思い出してほしい、過去にも何度も隊員らは防衛庁の叫びを無視している。

一部の陸上自衛官は防衛庁の薬莢のポイ捨ては深刻な環境汚染に繋がるという主張を間違いであるかのような発言をして批判を浴びた。

挙句の果てには不正に入手した空薬莢を、事前に胸ポケットにしのばせどうしても見つからない場合それを取り出し発見したかのように見せかけた事が発覚し大問題となった事は記憶に新しい。

確かに防衛庁には妥協や調整が下手という問題もある。だが、心配のしすぎではないか▲

自衛官らの主張は一見一理あるように聞こえる。

しかし、だからといって本当に自衛官らは放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張できるのであろうか?

それはいかがなものか。的はずれというほかない▲

事の本質はそうではではない。その前にすべきことがあるのではないか。

自衛官は、未来を担う一員として責任があることを忘れてはならない。

自衛官の主張には危険なにおいがする。各方面の声に耳を傾けてほしい。▲

自衛官に疑問を抱くのは私達だけだろうか。

放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張したことに対しては防衛庁の反発が予想される。薬莢のポイ捨ては深刻な環境汚染に繋がるという主張を支持する声も聞かれなくもない▲

自衛官もそれは望んでいないはず。しかし自衛官は大きな視野で語る能力に欠けている。

放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張する事はあまりに乱暴だ。自衛官は再考すべきだろう。

繰り返すが自衛官は大きな視野で語る能力に欠けているである▲

自衛官の放出された空薬莢を一発残らず回収するのは気が触れていると主張したことは波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。

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