〜第11章 大後悔時代〜


予定飛行時間:2時間54分
実際飛行時間:2時間50分
飛行時刻   :0500〜0754(現地標準時)
実際飛行時刻:0500〜0750(現地標準時)
飛行距離   :847海里(1605Km)
巡航速度   :330kt(630Km/h)



・ブリーフィング
ポルトガル首都リスボン、大航海時代にはスペインと世界を2分する最強国家として、トリデシリャス条約に基づき、おおよそ日本を含むアジア・アフリカ大陸はポルトガル、新大陸ことアメリカ大陸はスペインが支配していた。この大航海時代の余波が、いまでも残っている。南アメリカはブラジルを除き全ての国がスペイン語を共用語とし、北アメリカでもスペイン語を話すヒスパニックが多数いる。アフリカでも多数の国が公用語をポルトガル語としている。日本に鉄砲・キリスト教を伝えたのも南蛮人ポルトガル人なのはこの影響だろう。しかしポルトガルは植民地支配に失敗し、イギリスにそのほとんどを奪われてしまう。そしてリスボンの街はこの国の昔ながらの首都だ。


ここから数千キロは大西洋が広がり向こう側のアメリカまではP-3Cで7時間を要する。P-3Cの滞空時間は最大で16時間、これはあくまでも低速での滞空時間であり、アメリカへ到達する以前に間違いなく燃料切れをおこしてしまうだろう。大西洋に浮かぶ島にて給油を行なうがかなり厳しいフライトになるのは間違いない。フライトプランは以下の通り、
フライトプラン

今まで、23000ft330kt巡航2時間でだいたい50%の燃料を消費していたので、途中給油を行なったとしてもギリギリだろう。手早くエンジンを始動しチェックを行ない、素早く飛び立つ事にする。スロットルをアップし離陸する。ヨーロッパともこれでお別れだ。海洋都市なので離陸し数分で大西洋上空に入る。さらば欧州、また会う日まで



っと、その前にご挨拶。つい橋の下をくぐりたくなってしまった。)



10000ftまでの上昇速度は250kt、20000ftまでの上昇速度は300kt。1500ft/mで上昇する。23000ftに達した時点で例によってオートパイロットによる飛行に移る。速度は330kt。今回は燃料が少し不安なので5000ftほど上空、28000ftで水平飛行することにした。後はもう燃料ぎれにならないよう祈るだけだ。レベルオフした時にはすでに欧州はすでに見えず、海ばかりの景色が広がる。美しい星に月、暗闇の海と空にちりばめられた宝石のようだ。


後は海ばかりが続く長い長いフライトだ。時折計器類を確認して状態を把握するだけで基本的に何もしなくてもよい。機械が全自動で最適な状態を保ってくれる。窓から外を見てみると素晴らしい天気。


日の昇っていない5時30分に出航し1時間半、ようやく太陽が昇り始めた。

リスボンを飛び立ち2時間…時速620キロで飛行しているので1200キロは西に向かった事だろう。このあたりで全飛行行程のようやく1/4地点になる。現在フライトプランにおいて日本から最も遠い場所に位置している。アメリカ大陸にさえ到着してしまえば、後は大陸横断、太平洋横断すれば母国日本だ。…太平洋横断のことはまだ考えないようにしよう…まずはこの大西洋を横断しなければ…間もなく給油地点のサンタマリアだ、すでに機は降下を開始している。トラフィックパターンに入り目視着陸進入を行なう。

小さい島だ、海が晴れているときは島は雨の場合が多い、この時も島の上空に入ってから急に雨がふり出した。かなり強い雨で雷まで鳴っている。目視着陸するのにはきわめて悪い状態で、しかも今までのフライトでILSを使わない着陸は初めてだ。PAPIと呼ばれる赤と白の4つの信号を見ながら適性降下角「グライドパス」が正しいかを判断する。4つの信号のうち赤が多ければ適正高度より低く、白が多ければ適正高度より高い、赤と白の信号が二個ずつ点灯している場合が適正高度にいることを示している。降下速度は500ft/min、1分間で500ft降下している状態だ。


速度は140ktを維持。キュっと着陸し減速してタキシングロードへ。いったんエンジンをカットオフし給油に入る。エンジンを止めると雨音が聞こえてきた。以前として雷鳴はとどろいている。

サンタマリアとは、かのコロンブスが西回りからインドを目指すためにスペインの女王を口先三寸でたぶらかし融資を受けた帆船。新大陸にたどり着いた最初の航海の帰路でこの地にコロンブスがたどり着いている。名前はおそらくその後につけられたのだろう。(?)


デブリーフィング
更新は1年ぶりです!忘れてたわけでは有りません(笑)大航海時代ならぬ大後悔時代。まさにそんな感じでした。と、言うわけで一気にアメリカまで突っ走りました。「第12章〜翼よ、あれがニューヨークの灯だ〜」も続けてお読みください。


BACK