T-34 戦車博物館 赤軍戦勝記念公園 赤の広場 モスクワ市内の写真 2007年夏

2007年のモスクワ遠征は航空雑誌にも毎月広告を出している、某Y社のエアショーツアーで行って参りました。
ここではメインだったエアショーや中央軍事博物館、モニノ中央空軍博物館以外で撮影した写真や旅行記を綴りたいと思います。
タイトルにも有りますように、T-34戦車博物館、赤軍戦勝記念公園と、市内の観光などがメインになります。
二日目と最終日に訪れた場所をてんでバラバラに掲載しています。


■T-34戦車博物館
T-34といえば、歴史上最も成功を収めたと言っても過言ではない、第二次世界大戦中に生産され、
現在ですら現役の車両が残る名戦車ですが、そのT-34の歴史と様々な資料を展示したのが、このT-34戦車博物館です。
本来、クビンカ戦車博物館という、第二次大戦時に使用された各国の戦車や装甲車両など数百両を展示した施設へ訪れる予定でした。
しかし、お金を振り込んだ後に「クビンカ戦車博物館は施設工事のため見学できなくなりました。」という連絡をY社から受けました。
(* ̄ロ ̄)ガーン
ナンテコッタイ…でも戦車はあまり知らないし、メインはエアショーだし(そして晴れたし!)良いけどね…。

T-34戦車博物館へはモスクワに到着した翌日、中央軍事博物館を見学した後に訪れました。
実車は両手で数えられるほどしか展示されていません。規模は1/50といったところでしょうか(つд`;)



では、まず屋外展示から。列線状に並べられた各種戦車。なかなか圧巻です。左が奥側から、右が入り口側からです。
左の写真手前からT-80 T-72 T-64 T-55 T-54 T-34 SU-100


SU-100ですね。なぜかこれだけ自走砲で戦車では有りません。


博物館の主役のT-34。


T-54とT-55。ほぼ同型ですがベンチレーターで見分けるそうです。ベンチレーターってどれ?
(ああ、そのまんま受け売りなのがバレる)


T-64


T-72 もうT-64と区別が全くつかない。

 
T-80 これもT-64,72と何が違うのかさっぱり…。


T-34は列線と別の場所でモニュメント化しているのと2両が展示されていました。
車体に描かれているЗА РОДИНУ!は、ザ・ロディヌ!と読みますが、祖国のために!という意味だそうです。


T-54かT-55 どこの国に行っても戦車は子供たちの玩具になってますなあ。

屋内展示。狭い館内に沢山展示されていましたが、全然興味無いのでさくっと行きますよ。
ちなみに屋内展示は係員による解説付きでした。
メチャクチャ美人のブロンドのお姉さんが説明してくれました。写真みたい? だーめ(´∀`*)


屋内展示で一番ウケたのがこれ。飛んでるし!


T-34に至るまでソビエト戦車の系譜。


T-34のV型12気筒500馬力エンジン。比較対照物が無いので大きさが分かりませんが、かなり大きいです。


ソビエトお得意の実物と絵画の融合作品。詳細は忘れた。
なんかピカピカ光ってスモーク出したり戦場の音声を流したり、ちょっとしたショー仕立てになっていました。


T-34世界分布図。これは凄い。

屋内展示は狭いながらも、もっといろんなものが有ったのですが、露語読めない+あまり興味が無いので
掲載しません。興味がある方は下記リンク先をご参照ください。

T-34戦車歴史博物館 (日本人の方のレポート)
http://www.toride.com/~roshiashi/album59.1.html


■赤軍戦勝記念公園
ここの見学は酷かった。なんと許された時間は僅か15分!!
いやね、もう無理。無理としか言い様が無い。本来は百近い戦車、野砲、飛行機などの展示が有るようですが、
メチャクチャ広いので歩き回ってたら100%遅れてしまうため、ろくに見学できませんでした。ぎゃふん。
T-34戦車博物館よりこっちのほうをゆっくり見たかった…。


一見普通の公園に見えますが、このようにいたるところにKYな戦車が展示されています。
T-72のリアクティブアーマーが半端な取り付け方されていますが、盗まれたんでしょうか。

実はこれらは稼動状態にあり、すわ有事の際には第二次大戦時の元エースが防衛戦に参加します。

爺さんA(運転手)「こいつ…動くぞ!」
爺さんB(砲手)「ふぉっふぉっふぉ、昔を思い出すわい!」
爺さんC(車長)「それでは行くかの!ウラーヽ(゜∀゜)ノ」


爺さんD(装填手)「……(やることが無くて降ろされた)」

もちろんウソですよ?

この公園も上のT-34戦車博物館のレポートと同じ方のページがあります。詳しくは下記リンク先をご参照ください。
戦勝記念公園 
http://www.toride.com/~roshiashi/album8.1.html


■赤の広場・市内
モスクワといえば赤の広場です。ロシア語で赤という言葉には美しいという意味が有るそうです。
共産主義のアカとは何の関係ありません。


赤の広場の駐車場近くで見つけました。ジェットエンジンメーカーのCATYPH(サチュルン)の広告看板(笑)


赤の広場の外の駐車場から。有名な聖ワシリー大聖堂。(しかし名前は有名ではない)
ファミコン版テトリスで初めて見て、20年後の実物とご対面でした。


赤の広場側から。ロシア的でもあり、イスラム的でもあり、多民族国家ロシアを象徴する建築様式だそうです。


クレムリンの城壁。スパスカヤ塔。
ワシリー大聖堂側から。この城壁の先にロシアの中枢があります。


レーニン廟。世界で最も保存状態の良いミイラが安置されている事で有名です。ЛEНИНはそのまんまレーニンと読みます。
ガイドさんが言うには、今のロシアでも、レーニンは不世出の英雄として人気が高いそうです。
反対にソビエトの指導者で一番嫌われているのはゴルバチョフとか。ゴルビーが居なければ未だに監獄国家だったのにね。
なんでも、連邦崩壊後10年の混乱を招いた元凶と評されているようです。
後ろのクレムリンの大統領府に大統領旗が翻っています。プーチンさんが居たようです。


この美しい建物は国営百貨店のГУМ:グム


左はグム 正面にワシリー大聖堂 右がレーニン廟とクレムリンです。
1989年にドイツの青年がセスナ機でソビエトの領空を突破し、赤の広場に着陸しました。
そのことから、赤の広場は「世界で最も都心に近い国際空港」と皮肉られています。都心に近いどころか、都心そのものです(笑)
この広さがあれば、着陸して停止してそこからまた離陸も出来そうです。周りの建物がちょっと怖いですが。
が、着陸した当日は通行人が多く、実際はこの場所に着陸したのではないそうです。


赤の広場からぐるりとクレムリン沿いに歩いたところに有ります、「永遠の火」です。中心の台座に火が灯っています。
ここは第二次大戦の戦死者を弔う無名戦士の墓です。ソビエトの戦死者は2000万人です。
靖国神社の慰霊数が200万強ですから10倍近いですね。


なんか凄いの来た!衛兵交代の時間だったようです。凄い歩き方です。
ロシアのロボット技術は大した事有りませんね。ASIMOの足元にも及びません(笑)


テコンドー? と、思わんばかりに足を振り上げます。


交代。やれやれ、やっと終わったぜ…。という声が聞こえてきそう。時間まで衛兵は一歩たりとも動きません。凄い精神力です。
一歩も動かないでどうやって警護するんだよ。と思うでしょ?実は警護兵を警護する警護兵がいます。
なんかJu88を護衛するBf110、Bf110を護衛するBf109みたいですね。


そりゃ(´∀`*)

第二次大戦の英雄、ジューコフ元帥の銅像。
ガイドさんはばつが悪そうに話していましたが、ノモンハン事件でも指揮をとっていたとか。
この人は二等兵から元帥(しかも最も名高い)まで出世した化け物です。



マトリョーシカ人形。露店がたくさん出ていました。


乗馬警官はカッコイイなあ。そういえばロンドンにもラスベガスにも居たっけ。でも、糞の始末どうしてるんだろ。


赤の広場の最寄の地下鉄駅「革命広場」の構内。ほんとレーニン好きだよな。この国。


ちょっと見難いですが、たくさんの彫刻が並んでいます。
モスクワの地下鉄は芸術的に美しいことで有名ですが、噂どおりでした。どの駅も趣向を凝らした展示や景観が楽しめます。
ただ、美しいけど薄暗くて、どこか汚い感じ(笑)


車内。狭い、暗い、汚い。 でも同じく汚いロンドンと比べて運賃が1/10程度なので、モスクワの方が遥かにマシ…(笑)
そんな事よりドアの開閉がマジヤバイ。電車まだ停車してないのに凄い勢いでドアが開く。
閉まる時はもっとヤバイ。バコーン!!と、途中で減速なしの前進全速のフルスピードで閉まる。
日本のエアショーなどで格納庫内で飛行機のギアの展開・格納デモを見たことが有りますか?あんな感じです。(((;゚Д゚)))ヒー
毎年、老人挟まれる事故がおきてるに違いない…。日本なら間違いなく社会問題化しています。


泊まったホテル ”コスモス”
コスモスとは、宇宙のコスモで、お花の名前では有りません。手前の銅像はシャルル・ド・ゴール。あれ、ここパリなんだっけ?
(フランス資本で建てられたそうです)


部屋から撮影。手前はガガーリンだったか宇宙開発だったかを記念する公園になっています。
ロケットのモニュメントが特徴的。

ホテルの前から(ドゴールの銅像を背に向けて)。
後ろに見える高い塔はオスタンキノ テレビ塔。高さ537mと、建設当時は世界二位だったそうです。
火災を起こし、現在機能しておらず、またモスクワに新しいテレビ塔が建設中であり、半ば放棄されています。



ある日の夕食。日本食レストランの出前をYツアーが代理注文を受けてました。1000円ぐらい。
写真はカツカレーですが、別の日に注文した鮭弁当がとても美味しかった。やっぱ食事は日本に限る。


空港から市内に向う途中に有りました対戦車障害を模したモニュメント。
この場所は対独モスクワの最終防衛線だったようです。市街地の目と鼻の先です。
後ろのアパートの集合体を見ると、いかにもモスクワに来たんだなと感じられます。
ちなみにIKEAは横浜にもあります(・∀・)


資源高騰でボーナスステージ状態だけあって、市内は至る所でビルの建設工事が行われています。


オリンピックスタジアム

モスクワ大学。オリンピックスタジアムの近くの丘を登ったところにあります。
スターリン様式と言うそうですが、いかにも共産主義臭い建物ですね。




ルビヤンカ広場。
ソビエト崩壊の際に悪名高きG.P.U.(なぜかゲーペーウーで変換できる)の創立者、
フェリックス・ジェルジンスキーの銅像が引き倒された場所です。
ガイドさんは、日本人はレーニンの銅像だと思っている人が多い。と言ってましたが、私もずっとレーニンだと思い込んでました。


ルビヤンカといえばプーチンプリンの元所属組織KGB(なぜかカーゲーベーで変換できる)。
そう、この写真は、かの有名なKGBの本部です。堂々とKGBを撮影できるなど、本当良い時代になったものです。


ロシアの国産車「ラダ」。ソビエト時代の大衆車で、道路を走るクルマの3割は、こうした旧式の自動車です(残りは欧州車や日本車、韓国車)
毎日必ずどこかでボンネットから煙をあげて立ち往生する姿を目撃しました。自分である程度修理が出来ないと乗れそうに有りません。
また、モスクワっ子は洗車という言葉を知らないようで、どのクルマも皆汚れています(外車含む)。
渋滞が酷いので、非舗装の路側帯までもがデフォルトで車線化しており、まるでラリーの如く砂埃をあげて走るんだから、
そりゃ洗車したとしてもすぐに汚れるわな…。


ソ連時代、民需を疎かにし、軍需に傾向してしまった国の末路がここにありました。ロシアはこんなクルマしか作れないのです。
ガイドさんは苦笑して言っていました。「ロシアには資源と戦闘機以外売るモノが無い」

日本ではとてもSu-27やMiG-29系のような高性能なハードウェアを持つ戦闘機を生産する能力は有りません。
しかし、いくら航空マニアでも、空自に国産戦闘機が配備されているより、トヨタ、ホンダ、日産などの、
高品質で安い自動車に乗れたほうが良いに決まっています。
ちなみに07年のロシアの兵器輸出額は約7000億円。日本のアニメ・漫画・ゲームなどの輸出額(5200億円)といい勝負(笑)
自動車の輸出額は桁がゼロの数が二つほど違うので比べるまでも有りません(十数兆円)

そしてその兵器も

武器に戦闘機、潜水艦…後進国から返品相次ぐ ロシアの軍事産業
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080306/erp0803062253006-n1.htm

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアが力を入れている武器製造など国策産業分野で、外国からの契約破棄や製品突き返しといった異常事態が相次いでいる。ロシアが契約内容を守らないことや製品の質が悪い問題に加え、ロシアが得意としてきた発展途上国市場で、米国などが売り込み攻勢をかけていることが背景にある。

 報道によると、アルジェリアは2月末にブーテフリカ大統領が訪露した際、品質に問題があるとして、昨年購入したミグ29戦闘機15機を、ロシアに返品することで合意した。契約は47億ドルにのぼるアルジェリアの対露債務帳消しなどを引き換えにしており、同国に有利な内容だった。

 武器輸出の4分の1を占めるインドとの間では、2005年に受注したディーゼル潜水艦の近代化改修が問題となった。搭載された対艦ミサイルが6発の試射で1度も命中せず、インドは1月までに製品の受領を拒否した。

 納期や受注額をロシアが守らないケースも続出している。インドが04年に発注した中古空母の改修では、ロシアが契約額の7億5000万ドル(約775億円)を完工前に使い切り、追加支払いと納期の2年延期を要求して交渉が難航している。

 露コンサルティング大手「フィンエクスペルチザ」のミカエリャン社長は、「軍需関連産業は最も閉ざされた分野であり、ソ連時代の商法を引きずり、物価上昇の可能性などを考慮せずに破格値で受注してきたことが問題だ。労働生産性の低さも考えれば、もはやロシアの製造業に価格上の優位はない」と指摘する。


唯一世界水準の兵器産業もこの有様。
日本以上の少子化を抱え、平均余命は60を切り(最貧国並み)、深刻な人口減少(ソ連時代は人命は畑から採れたのにね)、
そのうえろくな産業も無い。好景気でBRICSだのなんだの言われてますが、将来を考えると厳しい舵取りを迫られそうです。


そしてこの渋滞。ロシア人に譲り合い精神やルールの遵守という言葉は有りません。ともかくスペースがあればアタマを突っ込め!!
と、言わんばかりに突撃します。メチャクチャに入り乱れていますが、これでも交差点です。

しかも、反対車線が空いていると、躊躇無く反対車線に飛び出して追い越ししようとします。
勿論追い越したところで、その先も詰まっているのですから容易に元の車線に戻ることは出来ません。
それでもロシア人はそれでも突っ込みます。もちろん対向車が来ます。そして今度は対向車線が渋滞しはじめるのです。(唖然)
本当アホですな。

もっと凄いのは、

反対車線にはみ出したバカのせいで救急車が立ち往生

救急車とバカが大声で罵声(多分)を飛ばしあってました(゜д゜)

ロシア人はアタマのどこかがおかしいとしか思えん…。

到着した初日などは空港からホテルまで4時間近く掛かりました。
というか、渋滞しなかった日なんて無い。毎日毎日毎日渋滞渋滞渋滞。バスにのりにモスクワまで行ったのかと錯覚してしまいそうです。


MiG-29並みの黒煙を吐き出す、環境なんてクソ喰らえな旧式エンジンと大渋滞が引き起こすモスクワの公害は深刻です。
さらに、この年モスクワは120年の観測史上、最も暑い夏でした。そのせいで泥炭が自然発火したことが更に拍車を掛けました。
この写真は北京じゃないですよ?


モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港。
この空港の職員の怠慢っぷりは酷いものがありました。チンタラチンタ…一向に仕事が進みません。
たかがA300クラスのチェックインに3時間掛けるとか、どんだけだよ…。
空港も酷いですが、市内のスーパーも最悪でした。
日本では通路で客と店員が鉢合わせたら、店員が客に道を譲るのが常識ですが、お前がどけ。みたいな態度を取られました。
レジの店員も椅子に座りながら、露骨に不機嫌な表情で仕事をしています。早く定時にならないかな。と、嫌々やっているのがよくわかります。
努力・勤勉・熱心な人ほど損をする、共産主義の爪痕は未だに癒えていないようです。


職員の怠慢で大混雑のチェックインカウンター。空港の中は微妙に暗いです。
イライライライライライライラ


この写真はモスクワで最後に撮った一枚です。
一見なんでもない売店ですが水を頼んだら、売店のビッチめが4ドルとかぬかしました。
「4ドル!?」と3度も聞き直してしまいました。(勿論買いませんでした)

もう二度と露○なんぞに行くかー! プンプンo(`ω´#)o
というのはウソ。またスホーイやミグが見たくなったら行くし、第一、飛行機だけ見に行って、偏った知識で全体を知ったつもりになることほど
愚かな事は有りませんね。「木を見て森を見ず」です。

ネガティブな事ばかり書いてしまいましたが、勿論ロシアは良い点もいっぱいありますよ。

・美女が多い。(但し20歳前後まで。その後は崖から転げ落ちるが如し。)
・暑いとすぐ脱ぐ。(ここ重要!)
・緑が多い(が、公害も凄い)
・美しい建築物が多い
・ロシア人は皆フレンドリー
・ノリやすく盛り上がりが凄い。ウラー!ヽ(゚∀゚)ノ
・戦闘機がステルス入ってなくてカコイイ

などなど。

以上、大国意識だけは一人前のモスクワ市内様子をお伝えしました。

本編 2007年国際航空宇宙展 (ロシア モスクワエアショー)もお楽しみください。


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