■2012年 珠海 中国国際航空航天博覧会 (航展)  Airshow China 2012 

イ尓 女子! 日本的各位!アイヤー! 中国行ってきたあるね!
二年に一度、中国・マカオの隣町である珠海(ズーハイ)では「中国国際航空航天博覧会 Airshow China」というイベントが行なわれます。
本エアショーは、ファンボローやパリなどのようなビジネスショーとしての性格が強い内容となっていますが、急成長を続ける中国の航空産業を象徴するかのように年々その規模は大きくなりつつあります。中国空軍の誇る八一飛行表演隊とJ-10がどうしても見たくて、日本から近いですしおすしー。ってことで行くことに決めました。
会場の雰囲気はとても良いです。皆さんご存じのように中国人はところ構わず騒ぎます(笑) ですが、こうしたお祭りのようなイベントではかえってこれは長所として働きます。機動一つ一つに歓声をあげて、皆さん実に楽しそうです。
心配なマナーの面ですが入場料が350元(5000円弱)と、日本人の私たちからしてもかなり高額なので、一般的な中国人は入れません。つまり入場者の殆どが富裕層です。気にする程でもありません。困ったのはチケットを購入するときくらいでしょうか。チケット売り場で中国人は並ぼうとしない(笑)。行儀良く待ってたらいつまでも入れないので「ローマではローマ人のように振舞え!」です。ええ、突撃しましたよ。中国人の如くチケット売り場の前の喧騒へ(笑)
あ、入場の際には荷物チェックとパスポートの提示が求められます。我々外国人は顔写真まで撮影されます。ここまで厳しいのははじめてです。

■行き方
安近短。お買い得でとても行きやすいです。海外エアショー初心者にもお勧め。
会場は珠海機場。香港やマカオの隣「珠海(ズーハイ)」という街の郊外にある小さな空港です。珠海は経済特区に面した中国沿岸部都市ですから、立派なマンションが立ち並んだそれなりに規模の大きな都市です。珠海へは香港を経由すると便利です。香港空港から香港へ入国せずに珠海の「九州港」へ直行する高速フェリーがあります。あとは1時間ばかし蜜柑でも食べながら東シナ海の緑色の海面(笑)を眺めていればすぐ到着です。

九州港からはエアショー行きのバスが出ています。私は今回九州港から徒歩数分のホテルを予約していたので、翌朝一番に九州港へ向かいバスに乗りました。九州港にはエアショーのポスターがたくさんあります。また「志願者(ボランティア)」がたくさんいるので、分からなければ彼らに聞きましょう。
え?中国語わからない?珠海は広東語圏ですが、別に広東語なんて分からなくてもOK。我々には偉大なる漢字という文化があります。しかも珠海は繁体字でOKです。バスのチケットは売り場カウンターで買いますが、カウンター自体が大きくてどこだか分からなかったので「我欲 汽車票 航展 珠海机場」とメモに書いて志願者に見せたところ、案内して貰えました。メモ帳とペンがあるとなにかと便利です。
九州港からは小一時間程度です。タクシーでも110元(1500円)程度なので、そちらを使っても良いでしょう。バスだと始発を使っても開門より少し遅くなります。てか、タクシーを1時間走らせて1000円ちょっとの国で、エアショー入場料が5000円って...。
帰りはバスの場合「度暇村酒店」行きにのり、最後のバス停でおります。ド暇村ですよ。超弩級の暇。ニート乙wwww。なんか、帰りは志願者にしたがってバスに乗ったらチケット買ってなかったのですがひょっとして薩摩守しちゃったのかな。
エアショー会場前でタクシーも拾えます。
香港・珠海九州港経由の場合はこんな感じです。マカオで陸続きの国境越えしてもいいですし、旅程はお好みでどうぞ。
あ、最近中国と日本の関係がアレですが心配は無用です。個人レベルでは関係ありません。だって、皆さん中国人の旅行者を見かけたら「ぶん殴ってやりたい」と思いますか? 中国人の旅行者がメモに「我欲 新幹線 京都」って書いて見せてきたら、普通に新幹線乗り場教えてあげるでしょう? 向こうさんも同じです。
ぶん殴りたいと思う人は日本の恥なので国外に出ないでくださいね☆

■裏側

エアショーの会場は逆光です。会場裏側で撮影を敢行することもできます。というかそちらの方がお勧めです。私の場合は一日目は会場で見学、二日目は裏側で見学すべくタクシーで直接乗り付けました。会場裏側には廃屋となったアパートがあるのですが、その所有者?が一日75元で屋上を開放しています。最高の立地なので、撮影メインの場合はこちらへ足を運ぶのもアリでしょう。
帰りは一旦会場正面を経由して九州港へと戻りましたが、会場正面までは徒歩40分です。10元のバイクタクシーが客待ちしているので、それを使っても良いでしょう。

■飛行展示
フライトは10時から16時まで行なわれました。飛行機の種類は少ないのですが、殆どの展示は1日に2回フライトが実施されたので、プログラムの「量」自体は十分なレベルにありました。


パキスタン空軍のJF-17サンダー エアデモンストレーションチーム。パキスタンと中国の共同開発による小型戦闘機。中国名FC-1梟龍。
小さい上にこの視界...ええ、撮る気失せましたよ。というかスケジュールでは4回もフライトするんで1回くらいスルーしてもイイかな。と思ってたら、
その最初の1回ぽっきりしか飛びませんでした(−−;


さあ、八一飛行表演隊とJ-10戦闘機登場です!これが見たくて中国に来たのです!


華奢でなかなか可愛い飛行機です。カナードはやや上半角がついてて、主翼はカナードは反対に下半角がついていますが、まるで逆ガル翼に見えるくらいに角度が変化しています。

J-10さん、何かこの子グリペンに似てると思いませんか?すくなくともタイフーンの数百倍は格好いい(笑
あー、空自のF-Xがタイフーンにならなくてよかった。敵国(wの戦闘機の方が好きになるところだった。


前縁フラップの付き方がとても面白い。ちょうど主翼の角度が変化している外側ですね。 


ところで、中国人って「ラララララララララ!!!」って叫ぶんですよね。
どうやら「来来来来来来来来来来来!」って言っているようです。日本人がキタキタキタキタキターーーーー(゜∀゜)ーーーーーー!!
って言うのと同じですね。
そのうち、オッサンが何も来てないのに「来来来来来来来来来来来!」とか言いだして、オッサンの一帯が笑いに包まれましたw


http://www.masdf.com/aerobatics/81/photo.shtml
その他の写真は八一飛行表演隊の特設ページをご覧下さい


はい、続いて 「勇士特技飛行小組」の登場です。
ロシア空軍のルスキイェ・ビチャジ(ロシアンナイツ)のことね。


バババババババ
やっぱりロシアンナイツはこれがないとね。


なんか1機だけ違うのが混じってました(笑)


いやー、週末に「ちょっとそこまで中国に」行くだけでフランカーが楽しめるんですから、このエアショーはお買い得です。


スホーイの高い機動性を堪能しました。ああ、格好いい(´д`*)


ブライトリング・ウィングウォーカーズ。ボーイングステアマンのアクロバットの上でアクロバットを行なう二重アクロチーム。
ちなみにパイロットも上に乗っているのも女性です。スゴイネー。


ブライトリング・ジェットチームも登場!ヨーロッパから飛んできたそうです。


時計屋のチームなのに、ロシアンナイツ・八一飛行表演隊をブッチぎったクオリティのアクロをみせてくれました(笑
いや、もうこの人達だけ明らかに格が違いました(^^;


ブライトリング・ジェットチームのパイロットは、全員世界トップのアクロチームとして名高い、パトルイユ・ド・フランスのOBです。
下手な空軍チームより面白いアクロをみせてくれます。


成都 直8(Z-8)ヘリコプター。中国語ではヘリコプターのことを直昇機と呼びます。これはシュドアビアシオン(現EADS)シュペル・フルロンの中国生産型です。
空挺降下を実施しましたが、視界が悪すぎて殆ど見えませんでした(^^;


成都 武直10(WZ-10) 武装直昇機。攻撃ヘリコプターですね。比較的軽量な部類に入るガンシップ機だけあって、機動性はなかなかに良好でした。


明らかにステルスを意識した設計になっていますね。RCSは既存機より小さいのかもしれません。


ハルビン 武直19(WZ-19) 武装直昇機。こっちはより新型の攻撃ヘリコプターです。


なんとなく、どこかで見たことがあるような...と思ったら、これユーロコプター・ドーファンの中国型、ハルビン直9(Z-9)を原形に攻撃ヘリ化した機のようです。
言われてみればテール部なんてドーファンそのまんまです。


COMAC ARJ21によるデモフライト。絶賛炎上中のお陰で全然就役が始まりません。
中国独自の旅客機によるリージョナルジェット市場への挑戦...といってもこれ原型機がMD-90で、胴体短縮型なのですが。


しかしDC-9シリーズは名前が変わりすぎですね。DC-9、MD-80/90、ボーイング717、ARJ21...
ARJ21の発注は殆ど中国国内からのものです。ARJ21自体将来を見据えた布石というか実績作りのための飛行機なのかもしれません。
中国国内だけでも需要量は凄いので、すでに多くの発注があるようですが、はたして。


ハルビンY-12。片発停止して機動飛行を行ない、ぶったまげました。
このエアショーから調度1ヶ月後、日本の領空を侵犯したのがこの機(同型)です。




シーラスSR-22。この子パラシュートがついてて、緊急時に展開すると不時着できるという面白い能力を持ってます。


ピアッジョ P.180 アヴァンティ。プッシャー式カナードという面白い設計を持ったビジネス機。
ターボプロップ機の速度記録を持っており、二点間の飛行速度が八百何十キロだかの記録を持っています(忘れた)

以上です。ちょっと視界不良気味ですが、本当楽しいエアショーでした。
香港まで片道たったの3時間でこの充実度なのですから、お買い得です。また2年後に珠海行っちゃおうかなぁ(^ω^)

■地上展示編
珠海エアショーはビジネスショーであるため、地上展示の充実度も見逃せません。ですが、飛行展示を見逃したくなかったため、あまり見て回ることができませんでした。飛行展示二日間、地上展示一日の三日間かよう必要性を感じました...。


J-31という名前らしい、ステルス機の大型模型が展示されていました。J-31はエアショーが行なわれる1ヶ月前に初飛行を行なったことで知られる、ステルスらしい第5世代らしい戦闘機らしい飛行機です。珠海のエアショーはビジネスショーですから、海外への販売を見込んでいるらしいのではないかと言われています。らしい。らしい。
コックピットはF-35のような先進的なものではなく、従来のタイプですね。
F-35によくにていますが、どことなくF-22にも似ています。ダイバータレスインレットなど、明らかにステルスを意識した設計がみられますが、模型ではウェポンベイの存在は確認できません。ウェポンベイが無いということはないでしょう。ステルスは見た目の形状からはかることができません。はたしてJ-31がどの程度なのか。興味がつきません。
J-31自体がただちに極東の空軍力に影響することはありませんが、10年後、20年後はわかりません。



J-10。ブレンデッドウィングボディの美しいラインがいいですねえ。
残念ながら八一飛行表演隊機のみ展示されており、部隊配備のJ-10はありませんでした。


エアショーの最後にはしとしと雨が降ってきてこのような状態に。さっさと地上展示を見て回って良かった。


JH-7(殲轟7)。 T-2!T-2じゃないか!(笑) 実際対艦・対地攻撃が主であり、F-1と同じようなミッションを担っています。
機体のサイズがF-15(19.4m)よりも大きい21mもあるので、近くで見たときの迫力はF-1/T-2の比ではありませんでした。
見るからにF-1よりも遙か遠くに進出できそうです。

JH-7を引っ張り出したので、フライトするのかな!!?と思ったのですが、しませんでした。


J-8 II(殲八)。
こちらも21.5m超えの大型戦闘機。MiG-21>J-7>J-8>J-8IIと発展した派生型。もう原型機の面影は殆どありません。
機体も大きいですし、まあ、いわゆる速度を突き詰めた直線番長ですね。
エアインテイクが胴体側面に配置されたため、大型の射撃管制レーダーが搭載できるようになりました。


KJ-200(空警200)さすがにもっとも機密度の高い飛行機ですから、遠くに駐機してありました。最近はこのてのAESAレーダー搭載型の警戒機が増えてきましたね。
エンジン始動して飛行するかと思いましたが、残念ながらフライトは行ないませんでした。またかいな。


H-6(轟六) / Tu-16 バジャーさん。(コメントするのがダルくなってきた


J-6(殲6) / MiG-19 角(ピトー管)テラカッコよす


MiG-15 「抗美援朝義勇軍」エースパイロットであった王海さんの乗機。9機撃墜とされますが、5機は誤認だったようです。
王海さんは退役時に空軍上将(大将)まで昇進しているようです。ご存命。


初教5(CJ-5)/ Yak-18 初頭練習機


教練8(CL-8)
T-4やBAEホーク相当の中国産のジェット練習機。最近この機体をつかったアクロチームができたそうで。いずれ見てみたいです(´ー`)


パキスタン空軍のJF-17サンダー。中国とパキスタンは非常に仲が良く、戦闘機をはじめに防衛面で様々な共同歩調をとっていることで知られています。本機も共同開発機ですが、パキスタン空軍にのみ配備されています。
JF-17を見た第一印象は「小さい!」というものでした。とてもコンパクトにまとめられており使いやすい飛行機を目指したものと思われます。
小さいとはいえ多数の武装に、レーダーはAESA式の実用化が目前であるなど、戦闘能力もけっして低いわけでは無さそうです。


しかし、胴体とエンジンのサイズ、合ってないんじゃないか?
根拠はありませんが、ひょっとしたら将来的により大きいサイズのエンジンへの換装を見込んでるのではないかと思ってしまいます。


パキスタン空軍デモンストレーションチームの人たち、みんなひげ面でした。イスラム国家...! 



武装類


Su-27 ロシアンナイツ


「翼龍」 中華プレデター。胴体側面に爆弾投弾マークがたくさんついています。武装搭載試験は相当進んでいるようです。


CH-4 MALE(中高度長距離)に相当するUAV。こちらもプレデターにそっくりですが、ギアとセンサーの配置が逆になっています。


CH-92


藍狐(Blue Fox) 高機動UAV研究機。


中華JDAM他。


An-2


Il-76


中国共産党が最初に取得した飛行機?


ン馬如二号?漢字が読めません。1911年1月18日に中国史上初初のフライトを実施しました。
ン馬如というのは、「中国航空の父」の名前のようです。日本で言うところの徳川好敏みたいなものですね。
ちなみに日本初のフライトは1910年12月19日。ほんの1ヶ月だけ日本が先行しました。


神舟9号の帰還カプセル。神舟9号では中国人初の女性宇宙飛行士が搭乗したことで話題になりました。


武器、色々あったんですが時間がなくて殆ど素通りしました。


中国商用飛機C919はエアバスやボーイングの牙城に挑む中国のA320/B737相当の旅客機。
中国は国内需要が大きく、国内の航空会社に買わせることによって相当の受注を見込めます。海外へのセールスは...。
性能面でA320NEOやB737MAXにまず及ばないでしょう。
エアバスのA、ボーイングのBに続くチャイナのCが果たしてどこまで成長するのか、今後に期待したいところです。


アグスタ・ウェストランドAW609。オスプレイに続く実用ティルトローター機になるか。


おみやげ屋さん。なんかA-10だけ浮いてます(笑)
J-10の大型模型たくさん売れたようで、街にでてもJ-10模型の箱を持ってる人を多数みうけました。

■香港国際空港航空博物館

香港国際空港の第二ターミナルの6階には航空博物館が開設されています。5階が吹き抜けになっているため、6階自体はそれほど広くありません。行けば分かります。
日本行きの便はすべて第一ターミナルですが、ターミナル間は徒歩で行き来可能です。出発ロビーから徒歩10分程度でみておけば十分です。


航空博物館には模型を中心とした航空機、旅客機の歴史などの展示がありますが、あえてここを目的に行くほどのモノはありません。
飛行機の時間を待つついでに訪れるくらいの気持ちで十分でしょう。

また、航空博物館から屋上の展望台行きのエレベーターがあります。有料の看板がありましたが係員がいませんでした。
展望台には何もありません。本当なにもありません。自動販売機どころかベンチすらありません。でもなぜか無料の双眼鏡がありました。
見てのとおりの天気だったので、早々に引き上げました...(11月だというのに暑くてムシムシ)

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